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年男36歳ベテランコンビ・MF宮沢裕樹&GK高木駿が描くコンサドーレ札幌の未来・・・新春インタビュー

スポーツ報知 / 2025年1月5日 8時24分

今季の目標を色紙に記したJ2札幌GK高木(左)とMF宮沢(カメラ・砂田 秀人)

 北海道コンサドーレ札幌の年男コンビが、1年でのJ1復帰を誓い合った。今季は9年ぶりにJ2で戦うが、1989年生まれのMF宮沢裕樹(35)とGK高木駿(35)が、スポーツ報知の新春対談で、岩政大樹新監督(42)の下で、チームを常勝軍団へ導く未来像を共有した。ともに昇格の経験がある今年36歳を迎えるベテランが、定位置争いに打ち勝って、チームを浮上させる。(取材・構成=砂田 秀人)

 ―年男として迎える25年シーズンへ、お互いが思いを色紙に記してくれました。宮沢選手が記したのは「もう一度J1に」。

 宮沢「J2に落ちてタフだなとか難しいなと感じるのは、実際に開幕してピッチに立って体感しないと(実感するのは)難しいと思う。だからその経験を持っている選手はすごい重要。岩政監督がきて、戦術を落とし込んで、1年で戻らないといけないという、すごい難しい状況だとは思う。でもそこは一度、ミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ前監督の愛称)がどうとかという考えはパッとなくして、しっかりとしたビジョンを持って、またチームとしてやっていくんだというところは大事じゃないかと」

 ―昨季開幕前日、左膝前十字じん帯を断裂した高木選手は「完全復活」と。

 高木「膝のけがはプロで初めてだったからショックはあったが、(MF深井)一希がいたのは大きかった。前十字断裂って絶望という感じではあるけど、この1回で泣き言を言ってたら(膝を5度手術している)一希に申し訳ないなと。10か月くらいかけてリハビリして筋トレとかして、肉体改造できるいいチャンスかなという考えに変えた。復帰してからトップコンディションにはなかなか戻らなかったけど、最終戦でベンチには入れた。今年は開幕からいきたい」

 ―今年36歳の年男の2人は、お互いをどう見ている。

 宮沢「(高木)駿は若手にとっていい存在。上過ぎないというか言いたいことを言える距離感がある。人の好き嫌いもなさそうだし」

 高木「キーパーだから全員とうまく付き合わないと。言ったことを聞いてくれないと困っちゃう。この人にはこういうアプローチ、こっちにはこういうアプローチみたいな。くせのある選手がいても、ちゃんと話を聞いてもらえる関係を」

 宮沢「コミュニケーションの取り方は本当にうまい」

 高木「(宮沢)裕樹はサッカー選手としてはスーパー。一緒にやっていると頭脳としてプレーしてくれるから、何も言う必要がない。むちゃくちゃいてほしい存在。人間的には知識の量がすごい。よくしゃべる」

 宮沢「おれ、どの年代でもいけるから」

 高木「だいたいロッカーの中では菅さん(GK菅野)とか裕樹とか、(MF荒野)拓馬とかがずーっとしゃべってる。中心みたいな感じでいて、チームの空気が出来上がっている。やっぱりチームの顔なのかなって」

 ―若い選手が多い中、どういう役割をしていきたい。

 宮沢「もちろんチームとしての役割はあるけど、まずは僕もピッチに立つためにやっている。この1年、サブに回ることが多くなって、やっぱり試合に出たい。出て貢献するのが一番だと思うから。年齢関係なくチャレンジしたい」

 高木「まずは自分のストロング(ポイント)を前面に出して監督にアピールする。年齢も上なので。選手それぞれ、J2に落ちたことでの微妙なギャップとか、ちょっとなめてるようなところがあったりするかもしれない。油断とかにならないよう、厳しくやってもいいと思う。ただ試合に出てないと、言っていてもあまり説得力がない。行動や姿勢で見せるけど、試合に出て引っ張っていくのが一番」

 宮沢「難しいよね。出てないと。おれもサブになってから、言うのもなあと。中の温度感もあるから。でもやっていかないとね」

 ―今年は9年ぶりにJ2で戦う。2人とも昇格を経験しているが、返り咲きに必要なことは。

 宮沢「チームとしてしっかりとしたビジョンを持った方がいい。岩政監督が新しいサッカーをやると思うが、それに対してみんなでチャレンジしていくこと。そこをやっていかないといいチームになれない」

 高木「J1でもJ2でも、自分たちのサッカーに向かって全員がやっているチームが絶対強い。コンサはJ2が難しい場所だと分かっている。耐性はあるんだとプラスに捉えていいんじゃないか」

 ―監督も岩政氏に代わる。

 宮沢「俺は対戦したことあるよ。競り合った。めちゃ強え(笑)」

 高木「熱い感じではあると思うので。ミシャの時とは少し違う感じになるかもしれない。楽しみにはしてます」

 宮沢「まずは監督のことを信じて、みんながやることが大事」

 ―ベテランとして立場的に思うところもある。

 高木「強いチームって若手がガンガン個性を出して勢い持ってやって、中堅もちょっと引っ張りながら、ベテランが引っ張ってみたいな。いままではおとなしくて、みんながファミリーみたいな感じだったので」

 宮沢「それがチームカラーみたいになっちゃってたから。もったいない部分であるよね、若手の。もっと試合に絡めたりしたら出てくる選手もいるだろうけど。ミシャ(のときは)は信頼をつかむまで大変という中だったので。だからいいチャンス。監督が代わって、みんなフラット」

 高木「若い人にチャンスを与える可能性もある。起爆剤となって選手が伸びる。言ってあげるにもタイミングがあるから。試合に出れないのに厳しく言ってもね。試合に出られる期間になって言ったら、どんどん良くなっていくこともあるから」

 宮沢「ピッチに出て、自分で気付くチャンスはあるわけだから。自分が成長するのが一番だけど、チームスポーツなので。強くなってほしいし、勝ちたいし。みんなが高め合って、そういう集団にならないと。ミシャのつくった環境というのは、競争をつくるのは難しかったと思うから。重要ですよね、ここから」

 ―目標とする1年でのJ1復帰へ、改めて思いを。

 宮沢「1年での復帰は絶対。そこを目標に戦っていかないと、またビジョンが変わってくる」

 高木「ぶれちゃうからね、絶対。そうなり始めたら結構、チームとしてまずい方向になっていくから。コンサは攻撃的に、となっているんだから、それに向かっていけばいい。岩政監督がそこからちょっとずつちょっとずつ形をつくっていって、選手がそれをやっていく。まずはそこだと思う」

 ◆宮沢 裕樹(みやざわ・ひろき)1989年6月28日、伊達市生まれ。室蘭大谷高(現道大谷室蘭高)から2008年に当時J1の札幌加入。同年5月3日のアウェー・京都戦でJデビュー。16年から23年まで主将を務め、札幌一筋。ポジションは加入当初はFWも、現在は主にボランチと3バック中央。昨季最終のホーム・柏戦でJ通算500試合出場を記録。J1通算251試合出場10得点、J2は249試合20得点。182センチ、76キロ。右利き。背番号10。

 ◆高木 駿(たかぎ・しゅん)1989年5月22日、神奈川・藤沢市生まれ。東京Vユースから明大を経て、2012年にJ1・川崎入り。14年にJ2千葉へ期限付き移籍、同年9月28日のホーム・東京V戦でJデビュー。16年に川崎に復帰し、17年J2大分へ完全移籍。18年は全42試合にフル出場し、J1昇格に貢献。23年8月に札幌へ完全移籍で加入。守備範囲の広さはチーム随一。J1通算86試合出場、J2は121試合出場。181センチ、76キロ。左利き。背番号51。

 〇・・・J2札幌を今季から率いる岩政監督の“初陣”が、1月15日に決まった。チームは7日、1次キャンプ地の沖縄へ向けて出発する。24日まで金武町を拠点に行うキャンプでは、練習試合4戦が予定されており、初戦は沖縄1部のFCセリオーレと対戦することが4日までに分かった。既に公表されている最終日のJ1・G大阪戦など、Jクラブとの対戦も重ねながら、2月16日の開幕・大分戦(クラド)に向けて、組織力を高めていく。

 沖縄での練習は8日に始まる。その1週間後の初陣から、岩政監督が目指す方向性を示していく。昨年12月の就任会見で「みんなが前進し、かつ流動的に動きながらサッカーをしていくような絵でチームをつくっていきたい」と描くスタイルを口にしていた。ペトロヴィッチ前監督が築いてきた攻撃的なスタイルを更に「前進」させるため、どの選手を起用していくか。開幕1か月前の一戦から、サバイバルが始まる。

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