大!?小!?カテゴリーに優劣なし…記者コラム両国発
スポーツ報知 / 2025年1月5日 15時0分
スポーツ報知では、編集業務に携わる社員によるコラムを毎日掲載します(休刊日を除く)。現場記者はもちろん、紙面制作やWEBで奮闘している編集担当も思いの丈をつづります。ご期待ください。
新年の始まりだ。景気良く行こう。となれば大谷翔平である。思えば日本ハム時代は夢のようだった。世界の至宝は手の届くところにいた。いや、少し粗末に扱っていた気さえする。
9年前の2016年シーズン。チームを日本一に導きMVPにも輝く。でも二刀流登板の試合でもスタンドに空席が目立つことすらあった。
あの年の暮れは紅白に審査員として登場。関ジャニ∞(現SUPER EIGHT)の村上信五が大谷のひざの上に乗って歌う一幕もあった。その数日前にはスポーツ報知主催「プロスポーツ大賞」の表彰式にも律義に出席している。
だけど、そんな話も今は昔。3月のメジャー開幕戦チケットは史上最高の争奪戦の様相を呈している。テレビで大谷をイジる? 炎上じゃすまないはず。もちろんスポーツ紙のイベントに普通に現れるなんて考えられない。
こうなると悩ましいのは日米格差だ。先日、近所のかかりつけ医師に「大リーグの取材はしないの?」と尋ねられた。野球に興味を持ってくれたことがうれしくて「僕は国内専門なんですよ」と弾む声で答えると会話はそこで途絶えた。
意気揚々とポスティングしたものの入札球団がゼロだった時の気持ちって、こんな感じか。「大リーグじゃなくて小リーグ担当で悪かったな」と、ふて腐れていたら拾う神ありです。
昨年末のおなじみ糸井重里さんコラム。「ヘビー級のボクサーが強いからといって、バンタム級の試合が面白くないというわけではない」―。目が覚めた。井上尚弥を見よ。カテゴリーに優劣なし。それぞれの戦いがあるのみだ。そんなわけで今季も大谷さんをチラ見しつつ、阿部ジャイアンツを死に物狂いで応援しようと思います。(野球担当・仙道 学)
◆仙道 学(せんどう・まなぶ) 1990年入社。編集委員。野球、編成、社会と社内漂流の果てに再び野球。コラム「仙ペン」書いてます。
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