「やめることを考えた時があった」 錦織圭が歩んだ復活への道のり
スポーツ報知 / 2025年1月6日 6時0分
【香港5日=吉松忠弘】元世界ランキング4位で現同106位の錦織圭(35)=ユニクロ=が、19年1月のブリスベン国際以来約6年ぶりのツアー優勝を逃した。同67位のアレクサンドル・ミュレ(27)=フランス=に第1セットを先取したが、6―2、1―6、3―6のフルセットで敗れた。しかし、けがの不安なく戦い抜き、開幕戦での準優勝は復活を印象づけた。4年ぶりに出場する全豪オープン(12日開幕・メルボルン)へ、大きな弾みをつけた錦織を「見た」。
最後にバックハンドがネットにかかると、錦織の2025年開幕戦は準優勝で幕を閉じた。負けたときのいつものように、少し肩を落とし、寂しそうに握手を求めた。決勝で敗れる悔しさ。それを再び味わっている錦織を見て、逆に戻ってきたことを実感した。
今大会5試合で、最もプレーが硬かった。優勝した19年1月ブリスベン国際以来、約6年ぶりの決勝。そして、勝てない相手ではないという舞台が、さすがの錦織を緊張で縛った。「緊張がすごかった。昨日、全然寝られなかった。途中で、勝ちたい気持ちが生まれてしまった」。その緊張感も懐かしかった。
本人だけでなく、誰が開幕戦でいきなり決勝進出を想像しただろうか。「5試合戦って、疲れたけど、体は何ともない。今日も体はフィットしていた」。けがの不安なく、どのショットも自然に打てる。うなりを上げるフォア、バックは切れ味鋭く相手のコートを裂く。世界が恐れる錦織が戻ってきたと改めて感じた。
22、23年の2年間でわずか4大会しか出られず。右肩、左股関節、左ひざ、右足首の痛みや手術に悩まされた35歳のテニスが、これだ。「負けたけど、ポジティブなことの方が多かった。攻めることができてきた」。センターを埋めたファンは、つたない日本語で「愛してる~!」と叫び続けた。
22年11月のことだった。国内の会見で、ぽろっと本音が漏れた。「(気持ちが)危ない時期があった。やめることを考えた時があった」。同年10月に、世界ランキングが消滅した頃の発言だった。単独のインタビューでも「もう一回、大きなけがをしたら、気持ちが折れるかも」と話していた。
それでも「テニスへの情熱は昔と同じ。決して衰えていない」。昨年のオフシーズン、課題だったサーブの改良に取りかかった。軸足の左足に右足を寄せる反動を利用するフォームに戻した。たぐいまれなる向上心で、大会を通して16本のエースを奪った。
長く苦しい日々を耐えたことで、ようやく世界の錦織が戻ってきた。「大きな贈り物だった。今の調子なら、オーストラリアでも何試合も勝てると思う」。香港で得た自信とともに、心は全豪に向かっていた。
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