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「顔を合わせるだけで調子がいいか、疲れているかすぐに分かってしまう」山中慎介氏が在りし日の長野ハルさんを回想

スポーツ報知 / 2025年1月6日 5時40分

山中慎介

 プロボクシングの帝拳ジムのマネジャーとして長年、運営や選手育成などに貢献してきた長野ハルさんが1日午後8時40分、老衰のため99歳で死去した。80年近くにわたって名門ジムを支え、元WBA世界フライ級王者・大場政夫(故人)ら多くの名選手から慕われた“日本ボクシング界の母”とも言える存在だった。

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 長野マネジャーにお別れのあいさつをしました。優しい表情をしていて、感謝の言葉を伝えました。ひと言で言えば厳しい方でしたが、愛のある厳しさでした。世界チャンピオンになってからも、スパーリングの内容が悪いと叱られましたし、アドバイスも数多く頂きました。自分は夏場の暑さが苦手だったんです。それを知ってか、自分だけの練習の時は、ジム内にエアコンを入れてくれたんです。その気遣いに、防衛への気持ちが自然と高まったのを覚えています。

 入門した時は、周りを見ればエリートボクサーばかり。自分は大学での実績など何もないのに、気にかけてくれて、お金のない時代に練習着などをよく頂きました。顔を合わせるだけで調子がいいか、疲れているかすぐに分かってしまうんです。そんな時は、ジム前のうなぎ屋さんで食事をごちそうしていただきました。何から何までお世話になり、「ありがとうございました」という言葉しか見つかりません。(山中慎介、元WBC世界バンタム級王者)

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