【巨人】北星学園大付のドラフト４位・石田充冴「１年目が終わったときに『化』けていたいです」…新春インタビュー

プロ１年目のテーマに「化」を設定した石田充冴（カメラ・島山　知房）

　巨人のドラフト４位・石田充冴（じゅうざ）投手（１８）＝北星学園大付＝がこのほど、スポーツ報知の新春インタビューに応じ、ルーキーイヤーのテーマに「化」を設定した。無限の可能性を秘めた１９２センチ右腕は、年末年始も無休でトレーニング。雪の少ない帯広でのミニキャンプも敢行し、万全の状態でプロ野球生活をスタートさせる。（取材・構成＝島山　知房）

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　　―いよいよ新人合同自主トレが始まる。

　「ワクワクしてますね。ドラフトから少し時間がたって、ジムとかプールでも一般の方から声をかけていただくことが増えました。指名された実感が湧いてきて、早くユニホームを着てプレーしたい気持ちが日に日に大きくなっています」

　―約１８年間過ごした北海道を離れる。心境の変化は。

　「中学までは旭川、高校は札幌で過ごしてきたので、北海道に特別な思いはあります。でも、寂しい気持ちはないですね。ただ、最近ようやく札幌の地下鉄の乗り換えを覚えてきたところだったので、そこはもったいないなと思ってますよ（笑）」

　―昨年１２月には寮やＧ球場などを見学した。

　「トレーニングルーム、リハビリ施設、プールなど想像以上の設備でした。ここで毎日野球ができると思うと気持ちが高まります。バイキング形式のご飯も、とてもおいしかったです。寮では浅野さんとすれ違って、テレビで見るよりも体がゴツくて驚きました。野球に集中したいので特別な物を持ち込む予定はありませんが、長年愛用しているクッションは入寮のときに持っていこうかなと考えています」

　―全国的には無名の存在から最速１４９キロまでスピードがアップし、ドラフト４位指名まで上り詰めた昨年。改めて振り返ってどんな年だったか。

　「漢字一文字で表すのであれば『良』ですね。自分一人の力では絶対にここまで来られなかった。いろんな人に出会えて良かった。プロのスタートラインに立てたことで恩返しができて良かった。本当にいい１年だったと思います。いろんな人に感謝したい」

　―ドラフト後も、ほぼ休むことなく練習を続けてきた。重点的に取り組んでいることは。

　「まだまだ課題ばかりですから、休んでる暇はないです。筋トレは、重いものを持ち上げるメニューはそんなにやっていなくて、トレーナーに教えてもらいながらフォームを学ぶところから取り組んできた。ほかには自重で股関節のモビリティー（移動性）を鍛えたり、体を自由自在に使えるようなトレーニングを積んできました」

　―年末には地元の旭川を離れ、積雪の少ない帯広でトレーニングを実施した。

　「一昨年は四国、昨年は１２月２６日から３０日まで地元の旭川を離れて帯広でミニキャンプをしました。昨年夏に足首をけがしているので疲労度を見極めながら、ランニングはインターバル走を日によって２５０メートル、３３０メートル、２００メートル、１５０メートルとメインを決めて各１５～２０本。総距離は７５キロくらい走りました。父がノック、母がボール拾いをやってくれて、まるで少年野球の頃のようでした。懐かしかったです」

　―プロ入り前最後の正月。練習以外はどのように過ごしたのか。

　「石田家は毎年、地元の上川神社に足を運んで初詣をします。今年も家族と行きました。おみくじは『大吉』で、願い事の欄には『のぞみのまま　人の言葉に迷うな』と記されてました。群れることを嫌ってきた自分らしいなと思いましたね」

　―昨年の漢字は「良」。今年はどんな年にしたいか。

　「テーマは『化』です。高校のグラブには『化』と刺しゅうしていました。周りからは昨年で急成長したと思われることもあるんですけど、個人的には思い通りに化けることができなかった。こんなもんじゃない。周りから『化けたな』と思われる１年にしたい。あとは体も考え方もガラッと変わる年になる。頭の中は柔らかく、柔軟に対応することも目標。とにかく今年は基礎を固めて、地道に成長していく。慌てることなく、結果的に１年目が終わったときに『化』けていたいです」

　　◆石田　充冴（いしだ・じゅうざ）２００６年７月２１日、旭川市生まれ。１８歳。旭川啓明小１年時に啓明ライオンズで野球を始める。旭川緑が丘中では旭川北稜シニアでプレーし、Ｕ１５北海道選抜に選出された。北星学園大付では１年秋に初めてベンチ入り。２年時に全道大会に出場。甲子園出場経験はなし。持ち球は直球、スライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップ。名前の由来は、両親が好きだった人気漫画「北斗の拳」に登場する「雲のジュウザ」から。１９２センチ、８７キロ。右投右打。家族は両親。