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「鹿の国」600年前に途絶えたとされる秘密の祭礼を再現…担当記者「推しの一本」

スポーツ報知 / 2025年1月9日 11時30分

「御室神事」で化粧を施した生き神の少年大祝(おおほうり)

◆「鹿の国」(弘理子監督、公開中)

 日本最古の神社の一つといわれる長野の諏訪大社には、約600年前に途絶えたという神事があった。弘理子(ひろ・りこ)監督が「御室神事(みむろしんじ)」と言われたこの秘密の祭礼を再現しながら、自然信仰「ミシャグジ」や神道、仏教が入り交じった諏訪独特の民俗をあぶり出していくドキュメンタリー。

 「御室神事」では、冬の3か月間、薄暗い穴蔵に籠もって、鹿を生贄(いけにえ)としながら、化粧を施した生き神の少年大祝(おおほうり)に踊りや芝居などの芸能を奉納する。諏訪大社では今も鹿の首をささげる御頭祭という祭りが行われているが、この地では古くから人々は鹿と共に生き、食し、感謝をささげてきたという。現代の感覚ではショッキングにも映るが、信仰の奥深さを思い知らされる。

 上映時間は98分。たまにはスマホを遮断し、映画館で時空を超えた映像の世界に浸るのも一興かと思います。

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