巨人・佐々木俊輔、パンチ力アップへ打つべし！ボクシングジム短期入門「うまく使えたらスイングスピード出せる」

真剣な表情でサンドバッグをたたく佐々木（カメラ・中島　傑）

　巨人の佐々木俊輔外野手（２５）がこのほど、ボクシングジムに短期入門した。中学時代のチームメートがプロボクサーとして奮闘している縁で、異業種の合同自主トレが実現。東京・福生市の「リングサイドフィットネス」でパンチの打ち方やステップを学び、プロボクサーの効率的な体の使い方から攻守に飛躍のヒントをつかんだ。２年連続の開幕スタメンを目指し、約２時間のハードトレを行った“あしたのジョージ”を小島和之記者が「見た」。

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　「あしたのジョー」…ではなく、「巨人のジョージ」こと佐々木が意気揚々とジムに現れた。昨年１２月下旬、中学時に所属した羽村シニアの同級生で、プロボクサーの鈴木健介との“異種トレ”が実現。はじめに準備運動として約１０分間の縄跳びに挑戦し、一緒に二重跳びなどを行い「キツイな…」と早速洗礼を浴びた。

　現役時代に日本ライト級で２２連続防衛の日本記録を作った名ボクサーで、同ジムの会長を務めるリック吉村氏に両拳のバンデージを施され、臨戦態勢が整った。ジム側の計らい？でリングサイドの画面には、アニメ「巨人の星」の主人公・星飛雄馬がボクシングジムで特訓する回の映像が流され、こちらも準備は万端だ。

　リングに上がると、トレーナーの指示でシャドーボクシングが始まり、パンチの打ち方やステップなどを学んだ。次はグラブをはめ、リック会長の「パンチはこう打つんだ」と言わんばかりの身ぶり手ぶりを参考にサンドバッグ打ちに挑戦。「重い、キツい」と苦しい声を上げながら、約４０キロのバッグをたたき続けた。徐々に疲労が見え始めたが、続けて行われたミット打ちでは鈴木の助言を生かして鋭いパンチを披露。約２時間の異種トレを終えると、トレーナーの「乱闘の時に使わないように」という冗談にニヤリと笑った。

　「正直もっとできると思っていた」と悔しがったが、収穫もあった。鈴木とのパンチ力の差を例に「出力の出し方が自分は無駄が多くて下手。もっと（体が）うまく使えたらスイングスピードや体のキレも出せるのかな」と分析。ボクサーが狭い歩幅で俊敏に動く姿に着目し、「（外野守備で）一歩目をもっと小さくしてもいいスタートが切れるのかな、と。見直せるきっかけになった」とヒントを得た。

　１年目の昨季は開幕スタメンをつかむも、５９試合で打率２割３分１厘、０本塁打、６打点。今季は「丸さんを超えないと僕は試合に出られない。タピさん（立岡）もカジさん（梶谷）もやめて、今は左打者は全然いないし、僕が代わりの存在になりたい」と燃えている。目指すは２年連続の開幕スタメン。異種トレでつかんだ感覚を生かし、輝くあしたのために…打つべし―。（小島　和之）

　◆リック吉村　プロボクシング元日本ライト、スーパーライトの２階級王者で本名フレデリック・ロバーツ。５９歳。現役時代はライト級で２２連続防衛の日本記録を樹立。０１年には畑山隆則の世界王座に挑戦も、死闘の末に引き分けで王座奪取を逃した。通算３８勝（２０ＫＯ）７敗２分け。

◆巨人・佐々木のボクシングトレ

▽午後６時　ボクシングジム入り

▽同１０分　ウォーミングアップの縄跳び

▽同２５分　両手にバンデージ

▽同３０分　リングに上がりシャドー

▽同４０分　リック会長から指導を受けながらバッグ打ち

▽午後７時　パンチングボール打ち

▽同２０分　再びリングに上がってミット打ちに挑戦

▽同３０分　鈴木健介のミット打ち見学

▽同４５分　ミット打ちに再挑戦

▽同５５分　トレーニング終了

　◆Ｇ異色トレーニング

　▼相撲　１１年１２月に長野久義と藤村大介が宮城野部屋に一日入門。横綱・白鵬にぶつかり稽古など、２時間の超ハードトレ

　▼やり投げ　２１年１２月、高梨雄平が男子やり投げで１２年ロンドン五輪代表のディーン元気、ボディービルダーの横川尚隆らと合同トレ

　▼ボルダリング　戸郷翔征が東京五輪スポーツクライミング女子複合銅メダリストの野口啓代さんをテレビで見たことをきっかけに、２２年オフから。「感覚が良くなる」

　▼雪山トレ　菊地大稀が１年目の２２年オフから３年連続で雪山にこもって半袖、短パンで走り込み。今オフも膝付近まで雪が積もる中で約６キロ走り込んだ

　▼動物トレ　２４年１月、門脇誠が「動物的な動き」をテーマにアメフトボール投げ、サッカー、フリスビー、ダンスなど１０種類のトレーニング