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名バイプレーヤー、中村歌女之丞がもたらす安定感「歌舞伎は主役だけではできません」…「新春浅草歌舞伎」出演中

スポーツ報知 / 2025年1月12日 10時30分

「絵本太功記」の光秀母皐月を演じる中村歌女之丞(C)松竹

 ベテラン女形の中村歌女之丞(69)が「新春浅草歌舞伎」(浅草公会堂、26日千秋楽)で第1部、第2部いずれも「絵本太功記 尼ケ崎閑居の場」の光秀母皐月(さつき)を演じ、若手中心の一座に安定感をもたらしている。

 戦乱の世を生きる武家の女性らしく、息子の武智光秀の謀反を許せないと毅然(きぜん)と伝える一方、胸の内では息子や孫のことを思う役どころ。竹槍(やり)で刺され、手負いになってからも長丁場。体力的にもハードな役だが、「第1部は市川染五郎さん、第2部は中村橋之助さんが光秀役。同じ演目でも役者によって雰囲気が全然ちがうので、新鮮な気持ちで楽しくやっています」と声を弾ませた。

 一般家庭出身で、1975年に6代目中村歌右衛門さんに入門して50年。「この道、一筋ですね。好きなことを一生の仕事にできたのは幸せなこと」。幅広い役柄を演じるバイプレーヤーで、同い年の18代目中村勘三郎さんのオファーで平成中村座にも多数出演。2014年には国立劇場の養成所出身者として初めて幹部俳優に昇進した。「当時58歳。(12年に死去した)勘三郎さんにも幹部になった晴れ姿を見ていただきたかった」と目を潤ませた。

 「歌舞伎は主役だけではできません」。セリフの多くない役でも全身全霊で勤める。楽屋の鏡台には尊敬する6代目歌右衛門さん、17代目勘三郎さん、18代目勘三郎さんの写真を並べ、3人との思い出を胸に日々の舞台に臨んでいる。(有野 博幸)

 ◆中村 歌女之丞(なかむら・かめのじょう)1955年11月13日、神奈川県生まれ。69歳。74年4月、国立劇場「妹背山婦女庭訓」の腰元ほかで本名の小林洋信で初舞台。75年、6代目中村歌右衛門に入門し、中村駒次を名乗る。83年11月歌舞伎座「鎌倉三代記」の讃岐の局ほかで3代目中村歌女之丞を襲名。屋号は成駒屋。

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