駿河台大の徳本一善監督が退任 後藤宣広コーチが監督昇格 新体制で箱根駅伝2年ぶり出場を目指す
スポーツ報知 / 2025年1月13日 6時0分
駿河台大を箱根駅伝初出場に導いた徳本一善監督(45)が今年度で退任することが12日、分かった。法大時代、箱根駅伝でスター選手として活躍した徳本監督は12年に駿河台大監督に就任。10年目の21年の箱根駅伝予選会を突破して、22年本戦で駿河台大を初出場に導いた。24年本戦で2度目の出場を果たした。後任には徳本監督の腹心としてチーム強化に貢献した後藤宣広コーチ(42)が昇格する。
今季、主な大学駅伝の監督交代は亜大、麗沢大、明大に続いて4校目。今後も複数校で監督交代が見込まれている。
駿河台大は、昨年10月の予選会では16位に終わり、2年連続の出場を逃したが、ハーフマラソン個人成績でチーム上位10人のうち4年生は1人だけ。ハーフマラソン個人5位と好走したケニア人留学生のスティーブン・レマイヤン(2年)、1万メートル28分32秒29の自己ベスト記録を持つ日本人エースの東泉大河(3年)、第101回箱根駅伝で関東学生連合の5区を走った(区間19位相当)佐藤我駆人(1年)ら好選手が残る。
関係者によると、徳本監督はすでに選手をはじめ、選手の保護者、関係者らに退任を報告したという。「私がいなくなっても、駿河台大は今年の予選会を突破して、来年の箱根駅伝に出場できる力があります」と徳本監督は期待を込めて話した。
徳本監督は法大時代、箱根駅伝史上初めて茶髪とサングラスの姿で走った選手とされ、多くの“伝説”を残した。2年時は1区で区間賞。2区でも坪田智夫(現法大監督)が区間賞を獲得し「オレンジエクスプレス旋風」を巻き起こした。3年時は2区で日本人トップの区間2位と好走し、首位浮上。その直後、日本テレビのインタビューでは頭の上から装着するウルトラマンのような奇抜なデザインのサングラスで登場し、新春のお茶の間に衝撃を与えた。4年時は暗転。2年連続で2区を走ったが、右ふくらはぎ肉離れのため、7・3キロ地点で途中棄権。大手町のスタートから28・6キロ地点での途中棄権は大会史上最短記録として今も残る。
法大4年時の悪夢の2002年箱根駅伝から、ちょうど20年。2022年箱根駅伝で徳本監督は駿河台大を初出場に導き、箱根路に戻った。教員の「自己啓発等休業」を活用して前年度に駿河台大心理学部3年に編入学した今井隆生(現埼玉・鶴ヶ島市立藤中教員)を4区に起用。当時31歳で箱根駅伝出場の夢をかなえたが、力走及ばずに区間最下位でタスキを埼玉・越生中教師時代の教え子だった5区の永井竜二(当時3年)に託した今井に対し、徳本監督が運営管理車から「2年間、ありがとう。謝ったらブッ飛ばす!」と独特の表現でたたえたシーンは箱根駅伝史に残る名場面となった。
駿河台大を率いて13年。実績と伝説を残し、徳本監督はチームを去る。
◆徳本 一善(とくもと・かずよし) 1979年6月22日、広島市生まれ。45歳。美鈴が丘中1年から陸上を始め、3年時に全国大会で1500メートル2位。広島市立沼田高3年時に全国高校総体1500メートル2位。98年に法大入学。箱根駅伝では1年1区10位、2年1区区間賞、3年2区2位、4年2区途中棄権。2002年、日清食品に入社。03、04年の日本選手権5000メートル連覇。12年4月、駿河台大駅伝部監督に就任。22年に駿河台大を箱根駅伝初出場に導いた。長男・陽(ひなた)は青学大1年で1万メートルのベスト記録は29分13秒14。
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