「優勝した姿を見せる」帝京大主将、女手一つで育ててくれた母に恩返しV4 27年W杯で「日本代表に」
スポーツ報知 / 2025年1月14日 5時40分
◆ラグビー ◇全国大学選手権決勝 帝京大 33(14―12、19―3)15 早大(13日・秩父宮)
帝京大が早大を33―15で下し、4連覇を達成した。通算13度目の優勝は明大に並ぶ歴代2位タイ。4連覇は2009~17年度の9連覇に続く2度目で、再び黄金時代が到来した。昨年11月の関東対抗戦で連勝を34で止められた早大に雪辱。相馬朋和監督(47)、フランカー青木恵斗主将(4年)率いる王者が足元を見つめ直し、劣勢だったスクラムでも圧倒した。
重圧から解き放たれた帝京大・青木主将は、涙が止まらなかった。「人生で一番うれしい。昨年の11月3日。(関東対抗戦で)早稲田大学さんに負けてから努力し続けた。その結果、選手権の決勝で優勝できて本当にうれしい」。桐蔭学園高2年時の花園から数えれば全国6連覇。高校時代の同期で早大主将の佐藤健次(4年)に「おめでとう」と声をかけられると、「健次に負けたくないという思いがあって成長できた」と感謝を込めた。
帝京大では1年時からレギュラーとしてプレー。主将に就いた今季は、言葉の力も磨いてきた。就任直後の記者会見では考えに詰まり、隣に座った相馬監督に「どう話せばいいか」と聞いたこともあった。この1年、「どう伝えたら」とチームメートとの対話を重視した。決勝前のロッカールームでは「勝っても負けても最後。舞台を楽しもう」と熱く訴えかけた。前半12分に自らトライを挙げると、スタンドの仲間にも声を張り上げ、144人の部員を束ねて勝利に導いた。
女手一つで育ててくれた母・美登利さんが心の支えだった。白飯が好きではなかった幼少の頃は、母がおかずを何品も用意してくれ、好物のハンバーグは3個も平らげた。母は「やりたいことは続けなさい」と常に背中を押してくれた。青木は大学入学後は寮生活になったが、試合会場に駆けつけてくれる母との試合後の会話が癒やしだった。「(試合で)モヤモヤしても、話すことでスッキリする」と振り返る。さらに「優勝した姿をお母さんに見せる」と宣言していた通りの恩返しにもなった。
視線の先には27年W杯オーストラリア大会がある。「夢というより目標。日本代表になる」。輝かしい実績を胸に、日本を背負って立つ決意だ。(宮下 京香)
◆青木 恵斗(あおき・けいと)2002年6月14日、神奈川県出身。22歳。小学1年の時、藤沢ラグビースクールで始める。桐蔭学園2年時からレギュラーとして全国高校ラグビーで2連覇。21年、帝京大医療技術学部に進学し、1年時から全国4連覇。昨年2月には日本代表候補合宿に参加。ポジションはロック、フランカー、NO8。趣味は買い物。187センチ、110キロ。
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