24年は収得賞金過去最高のエコロ軍団 今年は充実のラインアップで大舞台での活躍を狙う
スポーツ報知 / 2025年1月14日 16時0分
私が初めて『エコロ』の冠名で知られる原村正紀オーナーを取材をさせていただいたのが24年の日本ダービー前。馬に対しての情熱や探究心、そして人を大切にする人情味や温かさがわずか数十分で十分に伝わり”エコロ軍団”の今後が非常に楽しみになるインタビューとなった。
24年は“エコロ軍団”の知名度を高める年になった。原村オーナーは17年に馬主資格を取得。初年度は勝ち星を挙げることができず、収得賞金1160万円からスタートした。その後は着々と成績が上昇。京都ジャンプS(エコロデュエル)で重賞を初めて制した23年は2億7273万4000円。24年はニュージランドT(エコロブルーム)の勝利で平地重賞に手が届くと、エコロヴァルツ(牡4歳、栗東・牧浦充徳厩舎、父ブラックタイド)は皐月賞、日本ダービー、菊花賞と3歳クラシックを皆勤。大きな舞台だけでなく、一年を通してコンスタントに所有馬が出走。勝負服を目にしなかった週は、ほぼなかった印象で収得賞金は4億4052万8000円と過去最高を達成した。
有馬記念当日の中山競馬場で、24年の総括などをうかがった。キャリアハイの成績に満足しているかと思ったが、「成績は良かったね。ただ、故障も多くてヤキモキすることが多かった。無事にレースに出て、無事に帰ってくるということの大変さを知った」。改めて競馬の難しさを感じる年にもなったという。
2歳戦が始まる前に「今年はブリーダーズCに行きたい」と話していた原村オーナー。11月に2歳馬のエコロジーク(牡、栗東・森秀行厩舎、父トワリングキャンディ)とエコロアゼル(牡、栗東・森秀行厩舎、父シャンスロット)の2頭が渡米。経営者やスポーツ選手は実際に口に出すことで目標を実現していくと聞くが、まさに有言実行だった。
「海外を経験してみて、ゆくゆくは海外の大きなレースを勝ちたいという気持ちが強くなった」と語る一方、「海外と国内では馬場も騎手の乗り方も全然違った」と厳しさも痛感。今年は国内でしっかりと経験を積んでいく意向が強いようだが、調教師の判断次第では、再び海外遠征も視野に入れていく。
25年は、けがで休養していたエコロブルーム(牡4歳、美浦・加藤征弘厩舎、父ダイワメジャー)が復帰予定。エコロヴァルツは年末のディセンバーSを勝ち、「来年の有馬記念には出走したい」と古馬G1を歩ませたい方針。障害には中山大障害2着のエコロデュエル(牡6歳、美浦・岩戸孝樹厩舎、父キタサンブラック)が、今年こそはとJG1制覇を狙う。
3歳には短距離~マイル路線のエコロジーク、クラシック路線にはエコロディノス(牡、栗東・大久保龍志調教師、父キタサンブラック)と名前を挙げ、各カテゴリーに楽しみなラインアップがそろう。
それでも現状に満足することはない。次世代のさらなる充実のため、国内外を問わずセリを飛び回る。「層を厚くしていきたい。(馬主は)楽しみしかない。重賞やクラシックもそうだけど、(初めて出走した)ダービーは特別だった。全然違いますよ。毎年出られるように、できる限り頑張りたい」と、力強く抱負を語った。
「ブリーダーズC参戦」を目の当たりにしているだけに、今年も原村オーナーの有言実行となる予感がしている。軍団がどこまで勢いを増していくのか。その活躍から目が離せない。(中央競馬担当・浅子 祐貴)
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