「千代田区と錦糸町だと環境は全然違う」新党結成の石丸伸二氏、政策出さず都議選候補者に一任
スポーツ報知 / 2025年1月16日 6時0分
昨年7月の東京都知事選で次点で敗れた前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(42)が15日、都内で記者会見し、今夏の東京都議選に向け設立した地域政党の名称を「再生の道」と発表した。政策については「ここでは出さない」とし「各人の良識、判断能力に任せたい」とした。自民党、共産党など国政政党との掛け持ちも歓迎する。都議の任期は多選を厳禁とし、2期8年に限定。候補者を公募し、全42選挙区に擁立を目指す。自身は出馬しない方針も示した。
予定時刻の約5分前。会場に現れた石丸氏はまず、「テレビ朝日はお越しでしょうか?」と質問した。反応がないことを確認すると「テレビ朝日がいらっしゃらないと会見始まらないんですけど。あれだけお呼びしたのに。残念だなあ」とし「ネット界隈(かいわい)が大好きなテレビ朝日が不在。きょう会見の中身が半分になりました」と皮肉を投げかけた。石丸氏は事前のYouTube番組などで昨年の都議選後の自身のインタビューを巡りテレ朝を批判し、対決を予告していた。
不穏な雰囲気が漂うなか、都議選に向けた地域政党の概要を披露。名前を「再生の道」とすることを発表し「日本をよみがえらせるという意味を込めた」と決意を述べた。
新党の中身については「党として実現する政策はここでは出さない。党議拘束もない」と、現時点で党としての考えや政策がないことを明言。「各候補者の良識、判断に任せたい」と、政策は個人の裁量に任せる考えだ。
さらに「(小池百合子都知事が創設した)都民ファーストの会、名前以上の共通見解あります? あったら申し訳ないんですけど」「イデオロギーを掲げても、何をやっているかわからない政治家がいる」と石丸節を連発。「千代田区と錦糸町だと、同じ東京都でも環境は全然違う。それぞれ選挙区で自分たちが目指す課題を提示する方がふさわしい」と指摘し、政策よりも「実務能力を焦点に選考する」と言い切った。
加えて、他の国政政党などへの所属も認めた。「自民党から共産党まで大丈夫。兼業OKの建て付けです」とごちゃまぜ歓迎の意向を示した。
候補者については公募で東京の全42選挙区に立てると明言。現職都議は選考手続きを経ずに公認し、首長・副首長経験者も優先するという。「条件は多選の制限だけ。2期8年を上限とするのが、鉄のおきてです。それ以外のしばりはありません」と説明した。
報道陣からは「何がしたいのか見えない部分がある」の質問も。だが石丸氏は「うまくいけば5年のうちに日本が生まれ変わる」と自信。自身の都議選出馬は「ない」と断言する一方で、2028年に行われる都知事選へは「有力な選択肢の一つ。都知事選でのメディアへのインパクト、小さくないんだなと思ったので」と述べた。
また、今後も選挙プロデューサーのようなことをやりたいのかとの質問には「生業にはできない」と返答した。(樋口 智城)
〇…石丸氏は昨年の都知事選でSNSを活用して善戦。この日の会見は、自身で主催。都庁記者クラブ所属の報道機関や「登録者数100万相当」のインターネット媒体を有するといった条件が設けられた。全社に対応すると際限がなくなってしまうとの理由で20~30人ほどが会場には入れなかった。
〇…石丸新党の2期限定&掛け持ちOKの理念に、地域政党「大阪維新の会」代表の吉村洋文大阪府知事(49)は、府庁での会見で「めちゃくちゃ面白い。維新でもできないところに踏み込んできた」と共鳴した。都議選には「東京維新の会」から4人の候補者を決めているが「維新で、石丸新党でもあるという可能性もあり得る。維新の公認候補者で2期で辞める覚悟を持つ候補者がいれば、僕は禁止するつもりはない。どんどん挑戦を」と言い切った。
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