横綱・照ノ富士 引退の意向固める 一時は大関から序二段に転落も横綱となった不屈の力士 両膝負傷と糖尿病などで満身創痍
スポーツ報知 / 2025年1月16日 22時59分
◆大相撲 ▽初場所5日目(16日、東京・両国国技館)
大相撲の横綱・照ノ富士(33)=伊勢ケ浜=が現役引退の意向を固めたことが16日、分かった。初場所に2場所連続全休明けで復帰したが、2勝2敗となり、5日目のこの日、右膝と腰の痛みのため途中休場を届け出ていた。14年春場所に新入幕。大関から序二段まで転落しながら、最高位まではい上がった。通算10回の優勝を誇る不屈の横綱が、決断を下した。
照ノ富士は2011年5月の技量審査場所、「若三勝」のしこ名で当時の間垣部屋から初土俵を踏んだ。2013年春場所を最後に部屋が閉鎖となったため、伊勢ケ浜部屋に移籍が転機となり、一気に番付を駆け上がった。同年名古屋場所後に新十両昇進が決まると、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)と部屋にゆかりのある横綱・照国にちなんで「照ノ富士」と改名。翌秋場所では新十両優勝を飾り、14年春場所に新入幕を果たした。
15年春場所に新三役となる関脇に昇進すると、翌夏場所には初優勝を果たし、同場所後に大関に昇進した。平成生まれ初の幕内優勝と大関昇進というおまけもついた。横綱候補にも名乗りをあげたが、ほどなくして順調な土俵人生が暗転し始めた。両膝のけがや糖尿病などに苦しみ、18年名古屋場所から4場所連続の全休なども経て序二段まで転落。大関経験者としては初めてとなる幕下以下転落という屈辱も味わった。
去っていく人も少なくなく、人間不信に陥り、「もうモンゴルに戻ろうかな」と口走ることもあったという。師匠の伊勢ケ浜親方には少なくとも5回「辞めさせてください」と引退を直訴した。師匠はその度、「まずは病気とけがを治してからだ」と突っぱねた。「後悔しないように。けがに負けて終わってしまわないように。やれることを全てやってから」と諭され、再起を決意した。
19年春場所、西序二段48枚目の地位で土俵へ戻ると、誰もが想像だにできなかった復活ロードが始まった。わずか所要5場所で関取に復帰すると、再入幕を果たした20年7月場所で2度目の優勝を果たした。21年春場所で3度目のVを飾り、場所後に大関再昇進が決定。平幕以下からの返り咲きは魁傑以来、44年ぶりの快挙だった。
勢いはとどまることを知らず、大関を2場所で“通過”し、同年名古屋場所後に横綱昇進が決まった。さらに新横綱からの連覇を達成。これは1962年初場所の大鵬以来59年ぶりで、史上5人目の快挙だった。
「照ノ富士時代」到来かと思われたが、またもけがの悲劇が横綱を襲った。両膝を故障し、手術に踏み切ったことなどで22年秋場所の途中休場から4場所連続で休場。復帰となった23年夏場所で8度目の優勝を飾ったが、翌名古屋場所で腰を負傷し、またも途中休場を余儀なくされた。3場所連続休場明けとなった24年初場所は13勝2敗で復活優勝。だが春場所は腰のけがで休場すると、夏場所前は左脇腹の肋(ろく)軟骨損傷という新たなけがに見舞われた。同年名古屋場所では節目となる10度目の優勝を飾った。だが2024年は皆勤したのが優勝した2場所だけと苦しみ、覚悟を持って出場した新春の土俵だった。だが復活はかなわなかった。
◆照ノ富士 春雄(てるのふじ・はるお)本名・杉野森正山。日本国籍取得前の本名はガントルガ・ガンエルデネ。1991年11月29日、モンゴル・ウランバートル市生まれ。32歳。伊勢ケ浜部屋。鳥取城北高から間垣部屋(当時)に入門し、2011年技量審査場所で初土俵。14年春場所に新入幕。15年夏場所の初優勝後に大関昇進も、両膝のけがなどで序二段まで転落。20年7月場所で再入幕。21年名古屋場所後に第73代横綱に昇進し、同8月に日本国籍を取得した。幕内優勝10回。得意は右四つ、寄り。192センチ、176キロ。既婚。
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