フジ、１年半公表せず…中居正広の騒動発生直後の２３年６月初旬に把握も 港社長「極めて秘匿性の高い事案と判断」

フジテレビ・港浩一社長

　フジテレビは１７日、東京・台場の同局で定例社長会見を行った。港浩一社長（７２）は一部週刊誌で報じられたタレント・中居正広（５２）による女性トラブルに関して、初めて言及。１００分以上に及んだ会見では、第三者の弁護士を入れた調査委員会の新設を表明し、同局社員の関与を改めて否定した。その一方で、港社長自身も調査対象になることから具体的な発言を避け、核心には触れず。説明責任を果たせなかった。

　フジテレビが１７日行った会見で、港社長を含む局側が、中居と女性のトラブル発生直後の２３年６月から事態を把握していたことが明らかになった。

　港社長は、一連の事態を認識した時期について「２３年６月初旬となります」と明かした。その経緯について「女性の様子の変化に気付いた社員が声をかけ、話を聞いたところ、当事者の２人の場で起きた極めてセンシティブな領域の問題でした」とし、限られた社員のみで対応に当たったことを説明した。

　トラブルを認識してから事態の公表や、調査委員会設置まで約１年半を要した理由については「事案を公表せず復帰したいという女性の意思を尊重し、心身の回復とプライバシー保護を最優先に対応した。その点は、会社として極めて秘匿性の高い事案として判断していました」と述べた。

　中居側からも「女性と問題が起きている」と報告を受けていた。示談の動きがある情報も把握していたが、中居への正式な聞き取り調査に着手することは「より多くの人間がこの件を知る状況を生む」と判断。女性の意思を尊重し、本格的な調査は避けたという。

　会見では、トラブルのあった女性の相談を受けて、対応した社員についても言及した。一部報道で当該女性が上司に相談していた内容が報じられ、社員が非難されていることに「女性から相談を受け、日々向き合っていた社員を非難する一部報道もありましたが、私はそうは思っておりません」と言いきった。

　当時の判断を「対応に関する判断は私の責任」と説明。最後に「ＳＮＳなどで弊社社員及び関係者に関する臆測による記事投稿が見られます。誹謗（ひぼう）中傷や名誉毀損（きそん）につながる内容は看過できかねます。お控えいただくようお願いをいたします」と話し、社員を守る姿勢を貫いた。

　◆港　浩一（みなと・こういち）１９５２年、北海道出身。７２歳。７６年に早大第一文学部を卒業後フジテレビに入社。ディレクター・プロデューサーとして同局の「オールナイトフジ」「夕やけニャンニャン」「とんねるずのみなさんのおかげです」など数々の人気番組に携わった。同局の常務を経て２０１５年６月に共同テレビ社長。２２年６月にフジテレビ社長就任。