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【新春浅草歌舞伎で奮闘する7人の若武者たち】第6回=尾上左近

スポーツ報知 / 2025年1月18日 10時0分

尾上左近

 20日に19歳の誕生日を迎える最年少の尾上左近(18)は、第1部「絵本太功記 尼ケ崎閑居の場」で戦国武将の佐藤正清、第2部「春調娘七種」で荒事の曽我五郎、同「絵本太功記」で女形の嫁初菊を演じる。「極端に違う役をいただいて、ありがたいです」。その多才さに無限の可能性を感じさせる。

 笑いのセンスも発揮している。2日の開幕前に行われた鏡開きのあいさつでは、緊張した様子で「初出演になります」と言うべきところを「はちゅしゅちゅえんになります」となり、観衆の笑いを誘った。「あれは計算です。笑いを取りに行きました」と真意を明かした。お年玉ごあいさつでも巧みなトークスキルで場内を沸かせている。「事前に台本を書いて、準備しているんです。素顔でお客様と接することが、これまでなかったので…。少しずつ慣れてきました」

 お年玉ごあいさつでは中村鶴松(29)に、左近が脱毛サロンに通っていたことを暴露されるなど、すっかり愛されキャラが定着している。「僕のいじりが多いですよね。『愛されてるな~』って、先輩方に感謝ですね」。それでも不満があるようで「同世代の市川染五郎さんが『尾上左近さんの説明をします』と言って、10分かけて僕の解説をしたことがあったんです。あれだけはちょっと…。いつかやり返します(笑)」

 昨年9月、坂東玉三郎(74)に抜てきされ、「妹背山婦女庭訓 吉野川」の雛鳥で鮮烈な女形デビューを飾った。「一生の宝物です。女形のお芝居は初めて。右も左も分からず、緊張する段階にもいなかった。無我夢中で1か月が終わりました」。歌舞伎版「ロミオとジュリエット」とも言われる古典の名作で悲劇のヒロインを演じ、女形としての将来性を高く評価する声もあったが、立役を得意とする尾上松緑家の御曹司としては「現時点では、どちらかに定めることはできません」と語る。

 時代物の大役や人情味あふれる世話物に定評のある4代目尾上松緑(49)を父に持つ。その後継者として「6代目(尾上菊五郎)から伝わり、2代目(松緑)が築き上げた荒事、生世話に家の型が残っていますので、やらなければいけない。僕が継がないといけないと思っています」と力を込めた。さらに「その家にないものを取り込んで、還元していく。それも役者として生まれた使命だと思う」と意欲を燃やしている。

 千秋楽まで「積極性が足りないと自覚しています。『芸の道は行儀良く』と教えられてきましたが、前に出る気持ちのリミッターを外してみたい」。猛スピードで成長の階段を駆け上がる。(有野 博幸)

 ◆尾上左近(おのえ・さこん)あらかると

 ▼生まれ 2006年1月20日、東京都出身。18歳。本名・藤間大河

 ▼経歴 09年10月歌舞伎座「音羽嶽だんまり」の稚児音若で、藤間大河の名で初お目見得。14年6月歌舞伎座「倭仮名在原系図 蘭平物狂」の一子繁蔵で、3代目尾上左近を名乗り初舞台

 ▼好きな食べ物 焼き肉。特に牛タンとジンギスカンが好き

 ▼ニックネーム 大河

 ▼いま一番ほしいもの 「身長です。165センチくらいなので、170くらいになりたいです」

 ▼憧れの存在 「祖父(初代尾上辰之助、3代目松緑追贈)です。よく映像を見ますが、自分と血がつながっている人と思えないくらい、格好いい」

 ▼憧れの役 「祖父の当たり役である『暗闇の丑松』です」

 ▼化粧好き 「元々、人前に立つのが、大好きな人間ではないということもあり、化粧は好きですね」

 ▼趣味 「基本的にインドアの人間なので、アニメを見たり、ゲームをしたり」

 ▼座右の銘 毎日が一世一代(2代目松緑の言葉)

 ▼役者人生の転機 23年4月の歌舞伎座で勤めた「連獅子」の仔獅子。「昔より歌舞伎が好きになりました」

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