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「頑張っている姿見せたい」巨人・今村信貴が野球場のない与論島で自主トレできた理由

スポーツ報知 / 2025年1月20日 5時0分

与論島の美しい海を背にポーズを決める今村(カメラ・水上 智恵)

 巨人の今村信貴投手(30)が19日、鹿児島最南端の与論島でプロ野球選手で初めて自主トレを単独で行った。マウンドを一からつくるなどバックアップしてくれた島民の温かさに触れ「1軍で投げている、頑張っている姿を見せたい」。昨季7試合登板にとどまった14年目左腕は背水の覚悟で恩返しを誓った。また、師匠である内海哲也投手コーチ(42)の教えを継承するため「今村組」を結成し来年、再び島に戻ってくる目標も掲げた。

 ヨロンブルーの海と人々の温かさに包まれ、今村の胸に熱い決意が芽生えた。鹿児島最南端の与論島で単独自主トレを行っている左腕は「今年の目標は『恩返し』。自分を応援してくれる人って、思ったよりいると感じた。その人たちに1軍で投げている、頑張っている姿を見せたい」と誓った。

 多くの支えがあって実現した。昨年は奄美大島で行っていた自主トレだが、他球団の選手が多く集まり、練習場所も限られるため新たな環境を探していた。そんな中、この時期でも20度近くまで気温が上がる温暖な与論島の人々が温かく迎えてくれた。プロ選手が自主トレを実施した前例がなく、野球場もない。それでも左腕のために島民がマウンドを一からつくった。整備に携わった柳田孝志さんは「土を奄美から運んでショベルカーを持っている人がいたので、島のみんなでつくりました」と振り返る。全面協力を受けた今村は「与論島の人は本当に温かい。すごい助けてもらったから恩返ししたい」と自分のために動いてくれた島民のためにも1軍のマウンドで躍動する思いを強めた。

 「今村組」発足で内海コーチの思いを継承する。15年1月、米グアムで先輩左腕の自主トレに初参加し、野球に取り組む姿勢などを学んできた。今回、選手は1人だが、その時からお世話になっている保田トレーナー、石賀トレーナーが付きっきりだ。「素晴らしいし続けたい。後輩を連れていきたい思いはあるけど、そのためには僕が圧倒的な結果を残さないといけない。一緒にやりたいと思ってもらえるように」とハードトレに取り組む。

 昨季は7登板に終わり、0勝0敗、防御率2・25。「やるしかない」と背水の思いだ。キャッチボール、ランニングなどをみっちりと行い「体的には今年が一番いいと思う。ヒーローインタビューを受けたら泣いてしまう気がする。久しく受けてないもんな…」と歓声を受けながらお立ち台に立つ姿を想像した。左腕の帰京後も与論島につくられたマウンドは残る。遠く離れた島で応援してくれるファンのためにも強い覚悟で臨む。(水上 智恵)

◆与論島     

 ▽位置 鹿児島県最南端の島で、沖縄からは約23キロ北

 ▽人口 約5100人

 ▽面積 約20.8平方キロメートル

 ▽特徴 星空がきれいに見える島で、サンゴ礁に囲まれる。21、23年には「世界の持続可能な観光地TOP100」にも選出された

 ▽観光スポット 島の東側の沖合に浮かぶ「百合ケ浜」。潮の満ち引きによって限られた時間に出現することから「幻の砂浜」とも呼ばれる

 ▽名産品 ドラゴンフルーツ、島バナナ、パッションフルーツ、奄美黒ほろほろ鳥、パパイヤ漬け、モリンガ麺、プチムッチャー(よもぎ餅)、島有泉(黒糖焼酎)

 ◆プロ野球選手の主な離島トレ

 ▽沖縄・伊江島 巨人・阿部監督は現役時代の06年1月に初めて行って以降、自主トレや交流を継続。現在は日本ハム・松本剛、野村らが行っており、同チームOBの杉谷拳士氏も行ってきた。

 ▽鹿児島・徳之島 ソフトバンク・近藤が18年1月から。

 ▽鹿児島・沖永良部島 阪神・近本が21年1月から。

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