【京成杯】11番人気馬が豪快差し切り3連単172万円超の大波乱 津村騎手「ここ最近で一番うまくいった」
スポーツ報知 / 2025年1月20日 6時30分
◆第65回京成杯・G3(1月19日、中山競馬場・芝2000メートル、良)
クラシックの登竜門、第65回京成杯・G3は19日、中山競馬場で行われ、11番人気のニシノエージェント(津村)が首差で差し切り、2、3着も伏兵が入って3連単172万円超の大波乱となった。開業2年目の千葉直人調教師(38)=美浦=は騎手時代を通じても重賞初制覇。イスラボニータ産駒がクラシックに名乗りを上げた。
直前にポツリポツリと降り出した雨が波乱を予感させていた。11番人気の伏兵ニシノエージェントが最後の直線で鋭く伸びて差し切り勝ち。勝負どころで馬群のなかだったが、4角で視界が開けると一気にスパートし、“ヴィクトリーロード”を突き抜けた。未勝利勝ちから2戦連続の手綱だった殊勲の津村は「1頭分のところをうまくさばいてこられましたし、ここ最近で一番うまくいったんじゃないかと思います」と胸を張った。
序盤は先行2頭が競り合って前半1000メートル通過58秒3という激流。それを10番手から慌てず騒がず、冷静に脚を温存したことがラストのひと伸びへとつながった。開業2年目で38歳の千葉調教師にとって、騎手時代を含めてうれしい重賞初タイトル。厩舎の初勝利も同じ西山オーナーという縁もあり「これまでずっとお世話になっていますし、昨年も勝ち星を多くいただいていたので結果を出せて本当に良かった」と興奮冷めやらぬ表情。続けて「津村先輩と一緒に表彰台に立つことができてうれしい」と、ジョッキー時代に2期上だった先輩の華麗な手綱さばきに感謝した。厩舎は先週に〈14〉〈8〉〈11〉番人気でそれぞれ2着。大波乱を演出していたが、今週は勝利で穴を演出した。
クラシックへ直結する重要な一戦を制し、一気に注目される存在へ急浮上した。「きょうのような競馬ができればもう少し距離を延ばしてもという思いはあります」と千葉師。今後は状態を見て判断されるが、父イスラボニータが14年に制した皐月賞(4月20日、中山)や、日本ダービー(6月1日、東京)への輪郭もくっきりと見えてきた。新進気鋭のトレーナーと一戦ごとに成長を遂げるニシノエージェントの“成り上がり”はここから始まる。(石行 佑介)
◆ニシノエージェント 父イスラボニータ、母ビクトリアスマイル(父ノヴェリスト)。美浦・千葉直人厩舎所属の牡3歳。北海道新冠町のカミイスタットの生産。通算5戦2勝。総獲得賞金は5212万7000円。重賞初勝利。馬主は西山茂行氏。
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