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「走れることは当たり前ではありません」青学大箱根連覇は「悪性リンパ腫」公表・皆渡星七の励ましが原動力 

スポーツ報知 / 2025年1月21日 6時0分

23年、ハイテクハーフマラソンでゴールする青学大・皆渡星七

 第101回箱根駅伝(2、3日)で2年連続8度目の優勝を果たした青学大の皆渡星七(みなわたり・せな、3年)が19日、自身のSNSで昨年11月に「悪性リンパ腫」と診断され、現在、治療を続けていることを明かした。「がんになっても箱根を目指したい」と題した文章の中で「がんやがん以外と闘うアスリートの一つの“道しるべ”のようなものに出来たらと思っています」などとつづった。決意を記した教え子に対し、青学大の原晋監督(57)が20日、復帰に向けてエールを送った。

 青学大が新春の箱根路を総合新記録で圧勝してから約2週間。チームを離れている皆渡が自身の病気や現況、思いを公表した。

 「がんになっても箱根を目指したい」

 強い思いをタイトルに込めたSNSで「昨年の11月に“悪性リンパ腫”と診断され、現在も治療を続けています」と明かした。その上で復帰への意志を示した。「どういった立ち上げ、リハビリをしたのかという記録を残し、発信したい。僕の持っているポジティブ思考と内面的な成長をアウトプットしたい」などと記した。

 皆渡は2年だった前回の箱根駅伝で16人の登録メンバー入り。7区に登録され、当日変更で出番なしとなったが、原監督が「次の大会では復路の主力になる」と期待していた。3年に進級した今季、順調に成長し、昨年6月に5000メートルで13分51秒38の自己ベストを更新。同11月3日の全日本大学駅伝で16人の登録メンバーに名を連ねた。しかし、11月中旬以降、チーム練習から離れていた。

 原監督はこの日、「本人が公表したので、私が話しできる範囲で」と前置きした上で説明した。箱根前のミーティングに皆渡が入院先からリモート参加したことを明かし「『走れることは当たり前ではありません。箱根駅伝、頑張ってください』とメンバーを励ました。優勝できたのは間違いなく皆渡の力があった」と振り返った。その上で「『がんになっても箱根を目指したい』という皆渡を応援します。そのためにも、まずは治療に専念してほしい」と述べた。

 原監督は今大会に向けて「優勝にあいたい」「喜び合いたい」などの意味を込めて「あいたいね大作戦」を発令。連覇を成し遂げた後「大成功」と話していたが、実はまだ終わっていなかった。「元気になった皆渡がチームに戻ってきた時、初めて『あいたいね大作戦』が完結します」と言葉を詰まらせて話した。

 「がんやがん以外と闘うアスリートの一つの“道しるべ”のようなものに出来たら」と記した皆渡。元気で明るく強い皆渡星七が東京・町田市の選手寮に帰ってくることをみんなが待っている。(竹内 達朗)

 ◆皆渡 星七(みなわたり・せな)2004年2月2日、大阪・豊中市生まれ。20歳。22年に関大北陽高から青学大経営学部に入学。2年時の第100回箱根駅伝で16人の登録メンバーに入った。自己ベスト記録は5000メートル13分51秒38、1万メートル28分49秒30、ハーフマラソン1時間3分30秒、30キロ1時間33分35秒。178センチ、60キロ。

 ◆悪性リンパ腫 血液のがん。多様な病型の総称で、病型によって症状、予後が異なる。原因は分かっていないことが多く、遺伝説、ウイルス説などがある。治療法としては抗がん剤化学療法、放射線療法など。また、治療法の組み合わせも効果があるとされている。

 ◆悪性リンパ腫から復帰した主なアスリート 駒大時代の03~05年に3度も箱根駅伝優勝に貢献した糟谷悟さんは、大学卒業後の13年に悪性リンパ腫を発症したが、闘病生活を乗り越え、16年のニューイヤー駅伝に出場。16年リオ五輪女子レスリング75キロ級日本代表の渡利璃穏さんは五輪前に異常が見つかり、五輪後に悪性リンパ腫であることが判明。18年の全日本選抜68キロ級で優勝し、同年の世界選手権に出場した

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