張本美和「とにかく優勝したい」史上最年少での女子シングルス初V＆ジュニア３連覇へ あす卓球全日本選手権出陣

本紙インタビューで今年の漢字を「優」と記した張本美

　卓球の全日本選手権が２１日、東京体育館で開幕した。２３日から出場する昨夏のパリ五輪女子団体銀メダルの張本美和（１６）＝木下グループ＝が２１日までにスポーツ報知の単独取材に応じ、一般の女子シングルスで大会史上最年少１６歳７か月での初制覇を目標に掲げた。同種目で前回２位の雪辱を果たし、３連覇が懸かるジュニア女子との２種目制覇を狙う。

　日本一への思いがあふれ出た。張本美は「全日本選手権はやはり違う。特別な大会だと思っている。とにかく優勝したい」と、取材を受ける間に３度も「優勝」を繰り返した。１７年大会を１６歳９か月で制した平野美宇を超える最年少１６歳７か月での初戴冠、ジュニア女子では福原愛、石川佳純に続く史上３人目の３連覇と２種目で頂点を見据えた。

　雪辱の思いがある。パリ五輪代表の最終選考を兼ねた前回大会は「（選考）ポイントは関係ない。やれるだけやろう」と初めて決勝に進み、準優勝。「まさか決勝に行けるとは」との思いだった。決勝は２連覇した早田ひな（２４）＝日本生命＝に及ばず０―４で完敗。「かなっていない（力が及ばない）」と実感した。ただ、敗れた瞬間、幼少時から憧れた舞台で大歓声を浴びる勝者を目の前で見て思った。

　「（自分が）優勝した時を想像したら、すごくうれしいんだろうな」

　優勝への思いが強くなった。昨年は全日本、世界選手権団体戦、パリ五輪でいずれも２位。１０月のアジア選手権団体戦で中国を倒して優勝したが、あと一歩届かなかった印象が残る。

　「２０２４年は振り返ると２位が多かったなと思って。そこを全部優勝に変えられるようにしたい」

　２５年の抱負を漢字一文字で「優」と書いた。６月に１７歳になる成長株は「“優”しい心も持ちたいなと思います」と落ち着いた口調で話した。

　兄・智和（２１）＝智和企画＝との史上初の“きょうだいＶ”もかかる。

　「まずは自分が優勝しないと始まらないので、頑張りたいなと思います」

　１６歳が念願のタイトルへ突き進む。（宮下　京香）

　◆張本　美和（はりもと・みわ）２００８年６月１６日、仙台市出身。１６歳。両親の影響で兄・智和に続いて卓球を始め、３歳で大会に初出場。昨年は世界選手権、パリ五輪でともに団体銀メダル。アジア選手権は団体金、女子ダブルス銀。全日本選手権は女子シングルス準優勝、ジュニア女子で２連覇。世界ランクは日本勢２番手の６位。Ｔリーグは木下アビエル神奈川に所属。右シェークドライブ型。身長１６６センチ。