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“天敵”相手に一時盛り返すも…西山朋佳女流三冠、奨励会に続き初女性棋士へあと1勝届かず…プロ棋士編入試験

スポーツ報知 / 2025年1月23日 5時0分

棋士編入試験に敗れた後、感想戦に臨む西山朋佳女流三冠(カメラ・朝田 秀司)

 西山朋佳女流三冠(29)=白玲、女王、女流王将=のプロ棋士編入試験五番勝負最終局が22日、大阪府高槻市の関西将棋会館で指された。西山は先手の試験官・柵木(ませぎ)幹太四段(26)に135手で敗れ、通算2勝3敗で不合格。将棋界初となる女性棋士誕生は、ならなかった。

 夢への道はあまりにも遠かった。唇をかみしめて最終盤を指し切った西山は、50秒静かに盤を見つめた後、投了を告げた。20年に棋士養成機関「奨励会」三段リーグで3位(2位までがプロ入り)に終わった時と同様、またもあと1勝届かなかった。

 悔しすぎる敗戦。だが、終局直後の気持ちを問われた西山から真っ先に出てきたのは、目の前の試験官に対する感謝の言葉だった。「いろいろ思いはありますが、まずは難しい立場の中、5人の試験官の方々が向き合ってくださったことに、すごく感謝しております」

 後手に決まっていた西山は「やると決めていた」と三間飛車で勝負。「序盤をどう乗り切るかが大きな課題だった」が、しっかり研究してきた柵木の的確な駒組みに苦慮。終盤は玉頭を狙った攻めで食いつき、「何か(手が)あるかも」と一時は盛り返したが、柵木に丁寧に対応され、逆転かなわず。三段リーグで0勝5敗だった柵木にまたも屈し、力尽きた。

 昨年9月の第1局からの4か月を「あっという間だった。自分自身幸運な面もあって最終局まで行けたのかなと思うこともあった。充実した期間でした」と振り返った西山。「少しでも納得のいく将棋を、と取り組み、収穫も多かった」としながら、敗因については「準備と微妙な違いがあった時に対応する力が足りなかった」と自己分析した。

 再び公式戦で「直近成績10勝以上、かつ勝率6割5分以上の成績」を収めれば、2度目の受験が可能だ。現在の成績は4勝4敗。資格獲得まで先は長いが、西山は「今日のことだけを考えてやってきた。今後のことはいったん家に帰って、整理してから考えたい」と含みを持たせた。

 トップ女流棋士に休む暇はない。2月からはタイトル戦が続く。「落ち込む間もなく、女流棋戦もあるので、注目していただきたい」と前を向いた西山は、これからの夢については「女流は活性化して魅力を増してきた業界。私自身、少しでも携わっていきたい」。どんな状況でも常に周りを気遣う女流棋界のトップランナーが、そこにいた。(瀬戸 花音)

 ◆プロ棋士編入試験 2005年に特例で実施され、アマとして活躍した瀬川晶司六段(54)が合格。翌年、正式に制度化された。女流、アマチュア枠のある公式戦に出場し、直近成績が10勝以上かつ勝率6割5分以上で受験資格を獲得。申請受理時の棋士番号の若い新四段5人が試験官となり、五番勝負で3勝すれば合格。四段昇段で順位戦フリークラスへの編入資格を得る。元奨励会員のアマでは14年に今泉健司五段(51)、20年に折田翔吾五段(35)が合格。23年には小山怜央四段(31)が奨励会未経験者では初めて合格した。女流では22年に里見(現・福間)香奈女流五冠(32)が0勝3敗で、全受験者で初めて不合格となった。

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