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西山朋佳女流三冠の悲願阻んだ柵木幹太四段「負けてもおかしくないと思った局面も」

スポーツ報知 / 2025年1月22日 19時19分

プロ棋士編入試験で試験官を務めた柵木幹太四段(カメラ・朝田 秀司)

 女流将棋の西山朋佳女流三冠=白玲、女王、女流王将=のプロ棋士編入試験五番勝負最終局が22日、大阪府高槻市の関西将会館で指され、西山は先手の柵木(ませぎ)幹太四段に135手で敗れ、通算2勝3敗で不合格。史上初の女性棋士はならなかった。

 西山の奨励会三段リーグ在籍時、5戦全勝と対戦成績で圧倒していた“ラスボス”は、やはり強かった。ネクタイを結び直し、背広の上着を着て終局後の取材に応じ「先手番なので持久戦にという感じで、想定通り。そこから最初の方は、結構リードを広げたかなという感触はあったんですけど、そこからちょっと良くないところが出て、終盤は負けてもおかしくないと思った局面もあった。最後まで分からなかったです」と振り返った。

 対局前はそわそわして、初手の前にも大きく息を吐くなど、緊張感が見てとれたが「プレッシャーはかかる対局かなとは思ったんですけど、対局がいざ始まってみると結構いつも通り指せた」と平常心で勝負。終始、前傾姿勢で闘志を前面に押し出した。

 試験官を務めるにあたり、西山との過去の棋譜を並べ直し「運が良くて勝てた対局ばかり」と改めて女流三冠の実力を実感。「中終盤、こちらが追い込まれていく感覚を昔から感じていたので、今日も逆転負けしてるかなと思ったところも。とても力を感じました」と、敗者をたたえた。

 2023年4月にプロ入りした柵木も、現在フリークラスで順位戦C級2組入りを目指して奮闘中。世の注目を浴びた対局を糧にしたいところだ。

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