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イチロー氏 日本人初の米殿堂入りの意義「僕がいなくなる時、きょうの出来事が意味を持つ」

スポーツ報知 / 2025年1月24日 5時26分

 日本人初の米野球殿堂入りを果たしたイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が23日(日本時間24日)、ニューヨーク州クーパーズタウンの米国野球殿堂博物館を訪問。同館2階のシアターで、共に殿堂入りを果たしたサバシア氏、ワグナー氏と、胸に「Hall Of Fame」の文字が入ったユニホームに袖を通した。3氏は、歴代殿堂入りのプラーク(銅製胸像盾)が並ぶ「プラーク・ギャラリー」の壁に用意されたプラークの土台にサイン。殿堂入りの式典は、7月27日で当地で開催される。

 主な米メディアとの質疑応答は以下の通り。

 ―敵として対戦し、チームメートとして戦ったサバシア氏と共に殿堂入り。

 「まず、敵として対戦していた時は、とにかく淡々とプレーする選手だなと。感情が見えない。いいピッチャーであったことは、誰もがわかっているんですけど。現在では見ない選手の1人です。敵なのにすごく気持ちがいい。やっていてこう、気持ちのいい選手でした。ヤンキースで(同僚となり)やっぱり同じだと思いました。どんな時も淡々とプレーする。感情を見せない。この投手のために勝ちゲームにしたいと、思わせるピッチャーでした」

 ―メジャーの野球を変えたと思うか。

「その質問に対して僕が答えることはできないですね。これ、僕以外の第三者が決めることだと思うので、僕は答えられない。僕自身が(何かを)変えたって、ここで言ってたらきっとおかしな人だと思うでしょう」(場内笑い)

 ―大事にしているスポーツのグッズは。

 「現役時代を一緒にずっと一緒に過ごして旅立った一弓という犬がいるんですけど、実はあのプラークを作ってもらっていて。ホール・オブ・フェームに入っているペットは、ボブ・フェラーの猫と、うちの一弓しかいないらしいです。そのプラークが、すごく大事です」(殿堂博物館が寄贈した故愛犬・一弓の銅製プラークを、シアトルの自宅に保管している)

 ―今メジャーを目指す若い世代に伝えたいこと。

 「怖がらないで、自分が信じた道に飛び込んでほしいということです。人間関係は色々あります。良かれと思った結果でも惑わされることはあります。人によって。でも、信じている自分を作っていれば、自分が信じた道に飛び込んでいけると思うんですよね。それを僕はしてきたつもりですけど、迷いなくそれをしてほしい。それが言いたいことですね。」

 ―日本で初めての殿堂入りはどういう意味を持つか。

 「恐らくそれは、時間が経ってからわかるんではないかと思います。まだ21日に報告を受けて、なかなか、今の気持ちをかみしめることができていません。これから、じわじわと湧いてくるとは思うんですけれども、おそらく5年、10年、20年、もしくは僕がいなくなる時に、それを実感するんではないか。きょうの日が、この出来事の意味が、ひょっとしたらあったのかもしれないと感じられるのは先のことだと思います」

 

 ―昨今のルール変更について

 「ウエスト・イースト(内外)のストライクゾーンがすごく狭いことは羨ましいです。審判も気の毒なこともあるし、ピッチャーはなかなか難しいだろうなという想像もします。残念なこととしては、見ている人たちの感情が奪われているシーンも多いと思いますね。例えば申告敬遠で投げない。敬遠して一塁に歩いていくっていうのは、ネクストサークルの選手がドキドキしたり、球場全体、ざわざわと雰囲気が変わったりする感情がなくなってしまった。いくつか残念なことはあります」

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