園部八奏 全豪ジュニア史上日本女子初のシングルス決勝進出 ジュニア世界1位にストレート勝ち 全豪オープン
スポーツ報知 / 2025年1月24日 13時41分
◆テニス ▽全豪オープン 第13日(24日、オーストラリア・メルボルン)
【メルボルン24日=吉松忠弘】ジュニアの部の女子シングルスで、ジュニア世界ランキング7位の園部八奏(わかな・与野TC)が、全豪ジュニアの日本女子シングルスとして史上初めて決勝に進出した。同1位のエマーソン・ジョーンズ(オーストラリア)に6-3、6-4のストレート勝ち。4大大会ジュニア日本女子シングルスとして、1969年ウィンブルドンの沢松和子以来、56年ぶりの優勝をかけ、同10位のクリスチナ・ペニコバ(米国)と決勝で対戦する。対戦成績は園部の2戦全勝。
地元期待のジュニア世界女王への声援が大半の中、園部が174センチの長身を生かしたパワフルなプレーで、日本女子ジュニアの歴史を動かした。「本当にうれしいです」。はにかんだ笑顔は、パワフル・テニスとは対照的に、17歳になったばかりのジュニアだった。
相手とは対戦成績1勝1敗だった。昨年10月の国際ジュニアツアー最終戦で、ストレートで敗退していた。「相手に全部いいように打たれてポイントが終わった」。課題は明白だった。大柄ゆえの動きとフットワークだった。
テニス留学先で園部を指導する弘岡竜治コーチは「昨年末のオフにいつもよりトレーニング期間を長くした。体を鍛えた」。そのことで、ステップが俊敏となり、武器のフォアに回り込むことも可能となった。この日は「相手に負けないくらい打てて行けた」と、攻撃テニスを取り戻した。
加えて、昨年末に、サーブのフォームを改造。ためを作っていたのが、クイック気味に改良した。そこからサーブの速度が増し、この日の最速が時速173キロ。この日、8本のエースを記録して、ピンチを救った。
昨年9月の全米ジュニアでも決勝に進み、注目を浴びた。しかし、その時は敗れ、惜しくも快挙を逃した。4大大会ジュニアとしては2度目のチャンスを自らの力で勝ち取った。「相手も(全米とは)違うし、思い切ってやるだけ」。
名前の由来は、「八」を洋数字にすると、無限大のインフィニティに似る。無限に奏でるという意味を、両親が込めた。決勝では、最高のプレーを奏で、日本女子56年ぶりの快挙を達成する。
◆園部 八奏(そのべ・わかな)2008年1月17日、さいたま市生まれ。4歳で兄の影響でテニスを始め、2021年全国選抜ジュニア14歳以下優勝。2022年に錦織圭同様に、盛田正明テニス基金を援助を得て、米フロリダにあるIMGアカデミーに留学。今でも拠点だ。2024年全米のジュニア部門準優勝。174センチ。ジュニア自身最高世界ランキングは5位
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