本当の主役はヴァネロペじゃなかった？…ＴＤＬ「ヴァネロペのスウィーツ・ポップ・ワールド」

ＴＤＬの新パレード「イッツ・ア・スウィーツフルタイム！」で主役を務めるヴァネロペ（カメラ・岡野　将大）

　東京ディズニーランド（ＴＤＬ、千葉・浦安市）の冬の新パレード「イッツ・ア・スウィーツフルタイム！」では、ディズニー映画「シュガー・ラッシュ」のヒロイン、ヴァネロペが主役を務めている。ＴＤＬ全体がお菓子の国になる、スイーツの世界「ヴァネロペのスウィーツ・ポップ・ワールド」が１５日から展開されており、エントランスにヴァネロペの顔が掲げられるなど、“看板娘”として異例の抜てきを受けている。

　ワールドバザールのＴＤＬの看板にヴァネロペの顔がキャンディーとともに掲げられ、デコレーションからは、甘いお菓子の香りがする。「ヴァネロペのスウィーツ・ポップ・ワールド」は、ＴＤＬで昨年から始まった冬から初夏へのスペシャルイベントシリーズ「ディズニー・パルパルーザ」の第３弾（３月１６日まで）。

　“パルパルーザ”のパルは「仲間」、パルーザは「みんなで盛り上がるパーティー」という意味の造語。昨年１月の第１弾はミニーマウスが主役の「ミニーのファンダーランド」、昨年４月の第２弾はドナルドダックが主役の「ドナルドのクワッキー・ダック！ダック！ダックシティ！」だった。

　ミッキーマウスが絶対的主役のＴＤＬで、ミッキーとディズニーの仲間たちの概念は、ミニー、ドナルド、プルート、グーフィーで、パルはここから選ばれるものだと思っていた。今年４月８日開幕予定の第４弾は、ドナルドの世界の再演が決まっており、ヴァネロペはミニー級の大抜てきと言える。

　新パレード「イッツ・ア・スウィーツフルタイム！」は、映画「シュガー・ラッシュ」では、ゲームの中の天才レーサーでもあるヴァネロペが先頭のフロート「スウィーツ・パラダイス・リゾート」に１人で乗ってリードする。続く５台は、〈２〉シンデレラ、ラプンツェル、ベル〈３〉アリス、マッドハッター、チシャ猫〈４〉ミッキーマウス、ドナルドダック、グーフィー、チップ、デール、クラリス〈５〉プー、ピグレット、ティガー〈６〉ミニーマウス、デイジーダック、プルート。いずれもヴァネロペより知名度が高いキャラばかり。

　ＴＤＬでは、２６年度以降に「シュガー・ラッシュ」の世界を舞台とした新規アトラクションが導入される予定で、前宣伝としてのヒロインの売り出しか。運営するオリエンタルランド広報部では「主役はスイーツなんです。それをヴァネロペに紹介してもらっています」と話す。ＴＤＬプラザパビリオン・レストランの「スウィーツ・ポップ・ワールド」（２１００円）は豪華だ。ドーナツ、プリン、アプリコットとわらび餅、カヌレ、パイコロネ、マカロン、キッシュなどが、会席料理の焼八寸のように盛りつけられている。映画公開から１２年、スイーツ好きの黒髪のヒロインが日本で再ブレイクなるか。（酒井　隆之）