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井上尚弥がSバンタムで2戦後にフェザー級挑戦 5階級制覇後に来年にも中谷潤人との夢対決へ

スポーツ報知 / 2025年1月25日 16時46分

防衛戦から一夜明け、会見でリラックスした表情を見せる井上尚弥(右は大橋秀行会長)(カメラ・堺 恒志)

◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)王座統一戦12回戦 〇井上尚弥 (4回KO) 金芸俊●(24日、東京・有明アリーナ)

 スーパーバンタム級の世界4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が世界戦から一夜明けた25日、横浜市の所属ジムで記者会見を開き、熱戦を振り返った。

 大橋ジムの大橋秀行会長、父の真吾トレーナーとともに報道陣の前に登場した井上。WBO世界同級11位の金芸俊(韓国)を強烈な右ストレートで沈め、4回KO勝ちでWBC、WBO王座は4度目、WBA、IBF王座は3度目の防衛に成功した。当初の相手だったサム・グッドマン(オーストラリア)がケガのために昨年12月から1月に延期となり、さらにグッドマンのケガ再発で急きょ、金に挑戦者が変更するなど激動の2か月となっただけに、尚弥も一夜明けてもなお、「休めていないです。ふだんなら、すぐにでもトレーニングしたいという気持ちですが、2か月張り詰めてきたので肉体的にも精神的に疲れました」と振り返った。試合に関しては「強引にいかず、組み立てるボクシングができた。自分の中ではいいボクシングができた」と笑顔を見せた。

 今後については、試合後に米国ラスベガスやサウジアラビアでの世界戦プランが浮上したが、この日、大橋会長が試合後に真吾トレーナーと3人で今後について話し合いをもったことを明かした。同会長によると、時期は未定だが、ラスベガスでWBC1位、WBO8位のアラン・ピカソ(メキシコ)と対戦した後、サウジアラビアでの世界戦を予定。対戦相手については元WBA&IBF統一王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)が有力だ。

 注目はその後だ。フェザー級(57・1キロ以下)に階級を上げ、WBA王者ニック・ボール(英国)に挑戦するプランをぶち上げた。「スーパーバンタム級の王座を保持したままで挑戦する。その後にスーパーバンタム級に戻す。闘うべき相手がいるので」と、世界5階級制覇を決めた後、スーパーバンタム級に上げてくると予想されるWBC世界バンタム級(53・5キロ以下)王者・中谷潤人(M・T)との対戦を想定しているのだ。サウジアラビアでの対戦相手についてはアフマダリエフかボールになるかは未定だという。

 尚弥は「ボールについては昨日初めて聞きました。(ピカソ、アフマダリエフ、ボールの)3人とも強い選手で気は抜けない。年4試合になるかも? やりますよ。3日間だけ休んで練習したい」と気合を示した。フェザー級に上げて試合をした後にスーパーバンタム級に戻して試合をすることについては「またスーパーバンタム級に下げるという流れがきた時が楽しみだ」と“夢対決”に胸を躍らせた。

 会見後、金芸俊が大橋ジムを訪れ、尚弥にあいさつがしたかったと対面が実現した。「強かった。痛かったよ」と打たれた右腹をさして苦笑いした金は「試合後、日本のファンから拍手をもらって感動しました。韓国からも激励のメッセージをいっぱいもらった」と言い、今後は誰と対戦したいかと聞かれると「(尚弥の弟で前WBA世界バンタム級王者の)拓真(大橋)とやりたい」とニヤリ。「拓真は大丈夫かな?」と冗談まじりに意欲を示していた。

 戦績は31歳の井上が29戦全勝(26KO)、32歳の金が21勝(13KO)3敗2分け。

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