２０年ぶりの日本人所属 小笠原慎之介を獲得したナショナルズとは？

ナショナルズと２年契約を結んだ小笠原

　中日からポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指していた小笠原慎之介投手（２７）が２４日（日本時間２５日）、ナショナルズと２年契約を結んだ。ＡＰ通信によると、今季年俸が中日時代の昨季より１億４０００万増となる１５０万ドル（約２億３５００万円）、来季が２００万ドル（約３億１０００万円）となり、中日への譲渡金は７０万ドル（約１億１０００万円）。背番号は「１６」。これで今オフポスティングされた日本人全３選手の移籍先が決まった。

　ＮＰＢからナショナルズに直接入団する日本人選手は初めて。０５年の大家友和以来２０年ぶりの日本人所属となる。交渉期限は日本時間２５日午前７時だったが、ナ軍公式Ｘはその約３時間前に「ブザービーター（終了直前に決まった）」と獲得を伝えた。

　昨季は７１勝９１敗でナ・リーグ東地区４位に終わるなど５年連続負け越し中のチームは再建期にある。中日では昨季まで４年連続で規定投球回に達している左腕は開幕ローテを争う立場となるが、米移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」は昨季１０勝の左腕・ゴアらとともに小笠原が先発の一角を占めると予想。同１０勝のアービンら有望な若手投手もおり、打線では通算１７１本塁打のベルらを補強。投打がかみ合えば、上位進出も夢ではない。

　千賀のメッツ、青柳のフィリーズ、ブレーブスと強豪ぞろいの地区だが、小学生の頃から憧れていた舞台へのスタートラインに立った。ハーパー（現フィリーズ）、ソト（現メッツ）ら多くのスター選手を輩出している米国首都のナショナルズで小笠原が腕を磨く。

　◆小笠原　慎之介（おがさわら・しんのすけ）１９９７年１０月８日、神奈川・藤沢市生まれ。２７歳。東海大相模では２、３年夏に甲子園出場し、３年夏はエースとして全国優勝。１５年ドラフト１位で中日入団。通算１６１試合で４６勝６５敗、防御率３・６２。１８０センチ、９３キロ。左投左打。昨季年俸は９３００万円。

　◆ナショナルズ　１９６９年にカナダに本拠地を置くモントリオール・エクスポズとして誕生。２００５年に本拠地を米国の首都ワシントンに移転し、現在のチーム名に変更した。１９年に地区２位からポストシーズンを勝ち上がり、初出場のワールドシリーズを制覇したが、以降は低迷。エクスポズ時代を含め、日本人選手は伊良部秀輝や吉井理人、大家友和が所属した。本拠地球場は０８年開場のナショナルズ・パーク。