伊藤蘭、娘・趣里とコンサートで親子初共演「忘れられない日になりそう」

ライブで共演した伊藤蘭と趣里(撮影：吉原朱美)

　歌手の伊藤蘭が２５日、東京・有明ガーデンシアターでコンサートツアーの最終公演を行った。

　昨年８月にスタートし、全国９都市をめぐるホールツアーのファイナル。伊藤は「こうして皆さんと元気に、お互いに元気に会うことができて、同じ時間を過ごすことができて、本当に幸せに思います」と、ともに歩んできたファンに感謝。ステージでは最新曲の「風にのって～　Ｏｖｅｒ　ｔｈｅ　Ｍｏｏｎ」「大人は泣かない」など２５曲を披露し、約５５００人のファンを沸かせた。

　キャンディーズ時代の楽曲も数多く披露。「アン・ドゥ・トロワ」や「やさしい悪魔」はリアレンジバージョンで新たな魅力を届かせ、「ハートのエースが出てこない」や「年下の男の子」「暑中お見舞い申し上げます」「春一番」などの名ナンバーも当時の振り付けとともに変わらぬ歌声を響かせた。

　「哀愁のシンフォニー」では、ファンが客席に紙テープを投げ込む懐かしの演出でステージを熱くさせた。伊藤は、詰めかけたファンに「みなさん、肩大丈夫ですか？」と気遣いつつ「美しい景色です」と感無量。「私、ソロ活動をしてからもう６年目に入ってるんですが、キャンディーズの活動期間はわずか４年半だった。（当時の）キャンディーズよりも長く歌っているわけなんですけど、あのころの色褪せない楽曲が、これからもより輝いて皆様に届けることができるように、明日につないでいけたら」と決意を込め「微笑がえし」を披露した。

　アンコールでは、長女で女優の趣里がゲストで登場。趣里が、笠置シヅ子さんをモデルにした、ヒロイン・福来スズ子を演じたＮＨＫ連続テレビ小説「ブギウギ」の劇中で歌唱した「買い物ブギー」「ラッパと娘」をパフォーマンスした。

　親子でのコンサート共演は初めてとなった趣里は「初めての経験をさせていただきましてありがとうございます」と母のファンにあいさつ。「ずっと共演を避けていたわけじゃなくて…。本当に偉大な父と母なので、自分ももっともっと頑張ろうって思い続けていたんです。ふと、人生一度きりなので、そして本当に尊敬する母なので、チャレンジしてみようと思った」と決意を明かし、ステージを縦横無尽に駆け回った。

　娘の歌唱後、伊藤は「福来スズ子さん、再びでしたね。プラス、今の趣里がちゃんと表現されていて…。すみません、親バカでした」と照れ笑い。「忘れられない日になりそうです」と感激の表情をみせた。

　今月１３日に誕生日を迎えた伊藤は「『年相応』とか『年甲斐もなく』という言葉があるけれど、音楽に関しては年甲斐もなくな感じでやるのがいいなぁ、なんて。これからも自然に、自由な感じで音楽と携わっていけたら」と決意。支えてくれたファンやバンドメンバー、スタッフに感謝のことばを延べながら、母娘で「春になったら」を手をつないでデュエット。幸せなステージをしめくくった。