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原動力は「二度と行きたくない」 パリ五輪補欠・松島輝空が張本ら代表選手を連破して優勝 

スポーツ報知 / 2025年1月27日 7時0分

篠塚(後方)からポイントを奪い、ガッツポーズする松島輝空(カメラ・宮崎 亮太)

◆卓球◇全日本選手権 最終日(26日、東京体育館)

 男子シングルスで松島輝空(そら、17)=木下グループ=が初優勝を飾った。準決勝で世界ランク3位の張本智和(21)=智和企画=を4―1で破り、篠塚大登(21)=愛知工大=との決勝も4―1で勝利。昨夏のパリ五輪で補欠に回った雪辱を果たした。女子シングルスは早田ひな(24)=日本生命=が史上6人目の3連覇。決勝で張本美和(16)=木下グループ=を4―0で退けた。

 松島輝は気迫に満ちていた。張本智との準決勝。強烈なフォアドライブをたたき込み、1点目から珍しく声を出して鼓舞した。決勝も篠塚に攻めのプレーを貫き、パリ五輪代表を連破。「自分はパリ五輪に出場できなくて悔しい思いをした。いつか倒したいと思っていたので、この全日本の大舞台で勝つことができて本当にうれしかった」。昨夏に味わった悔しさを思い返し、喜びに浸った。

 昨年は6回戦で篠塚に直接対決で競り負け、五輪は補欠に回った。「選手で行かないと意味がない。絶対行きたくない」と現地への同行を拒んだが、両親や周囲に「これも勉強」と説得された。意を決して乗り込んだパリ。移動の飛行機から代表選手との立場の違いを感じた。ボール拾いや練習相手、裏方として支える中で「二度と行きたくない」と覚悟を決めた。

 帰国してすぐ、母・由美さんにLINEを送った。「もう俺は嫌や。次は俺が選手で行くから待っといてくれ」。反骨心が日々の練習の支えになった。昨年12月には初めて中国超級リーグに参戦。ハイレベルな環境で腕を磨いた。元日。京都に帰省して初練習を終えると、今年の目標を「全日本優勝」と記し、卓球場の壁に貼った。

 17歳8か月での全日本制覇は張本智、水谷隼に次ぐ年少3位の記録だ。小学1年時から世代別の全日本を6連覇するなど早くから注目され、「夢は五輪で金メダル」と公言してきた。その思いは今でも変わらない。「ロサンゼルス五輪に行くためには、日本でしっかり勝って世界の舞台で勝つことが大事。その一歩を勝つことができて良かった」。28年ロス五輪の星が覚醒の時を迎えようとしている。(林 直史)

 ◆松島 輝空(まつしま・そら)

 ▽生まれとサイズ 2007年4月29日、京都市生まれ。17歳。172センチ。左シェークドライブ型。

 ▽競技歴 祖父母が開く田阪卓研で卓球を始め、小学1年から世代別の全日本選手権を6連覇。18年に11歳でワールドツアー初出場。21年世界ユース選手権15歳以下で3冠。24年世界選手権団体戦代表。

 ▽卓球一家 父・卓司さん(44)、母・由美さん(44)は実業団の選手だった。長男・輝空と次男・翔空(とあ、15)、Tリーグ・京都でプレーする長女・美空(みく、11)、次女・愛空(あいら、9)の4人きょうだいで、全員が卓球選手。

 ▽名前の由来 輝空は「空で輝いてほしい、世界で輝いてほしい」との願いが込められている。

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