フジテレビ会見、日枝氏の責任は「数日間、いろいろな話をした」

会見を行った（奥左から）フジテレビの清水賢治新社長、遠藤龍之介副会長、港浩一社長、嘉納修治会長、フジ・メディア・ホールディングスの金光修社長

　元タレント中居正広氏（５２）と女性とのトラブルを巡り、フジテレビ社員の関与が報じられた問題で、フジの港浩一社長、嘉納修治会長、遠藤龍之介副会長、新社長への就任が発表されたフジＨＤの清水賢治専務が記者会見を開いた。

　―被害女性は、Ａプロデューサーから日々誘われていたということですが、（中居氏との会食は）仕事の延長線上のことなのか。中居さんとおつきあいしていないのに仕事の延長線上じゃないと言えるのか

　港社長（以下港）「女性と中居氏の関係は仕事上で面識はあった。事案が起きて、様子がおかしいので社員が声を掛けたのが発端になります。Ａが（今回の中居氏とのトラブルに）関係がないと発表したのは、本人や中居氏とのヒアリングで限定的なこの日については関与がないとしました。その前にも食事会などがありますが、業務と捉えていたか分かりません。背景とかつながりについては第三者委員会で調査する」

　ー人権侵害、犯罪的なことや、薬物など刑事事件的な問題はあったのか

　港「分かりません」

　―薬物については

　港「聞いたことがありません」

　―なぜ日枝久相談役がいないのか

　遠藤副会長（以下遠）「この会見自体がフジテレビの問題なので会長・社長以下で対応している。出処進退はこれだけの事案なので、取締役もいろんな方向でいろんな人間が相談している。日枝だけでなく、総括的にいろいろな人と相談している」

　―日枝氏は責任を取らないのか。辞めると自身で言わなかったのか

　遠「数日間、いろいろな話をした。個別の局面での会話は控えますが、出処進退にはいろいろな枷（かせ）を課している。後ほど発表させていただきます」

　―日枝氏の退任がないことをどう思うか

　遠「日枝がここに来る来ないよりも、今後誰がどういう責任を取るかが重要だと思っています。港社長らが辞任した後に新組織になりますが、これはあくまで暫定的。第三者委員会の方々の結論がいつ出るかは分からないが、それぞれの役員がそのときに責任を取る形になる」

　―日枝氏から辞意はあったのか

　遠「個別に状況も移ろっている。個別の件はご容赦願いたい。先ほど申し上げたように、責任の取り方としては暫定的なもの。すべての役員が速やかな形で責任を取るということをご説明しました」

　―壇上のみなさんに、女性アナウンサー同席の食事会の経験はあったのか

　港「打ち上げ、親睦会と、同席の食事会はありました。アナウンサーはいろいろな場所で知識を得ることは大事。今考えると、気が進まなかった人もいたのではかと。本人たちの意思の確認とかやっていかなければいけないなと思っています」

　遠「私が２０１９年に社長就任していますが、お祝いでいろんなセクションの後輩が食事会をしてくれたが、女性アナウンサーもいた。意に沿うものだったのかは分からない」

　嘉納会長（以下嘉）「パーティーで女性アナウンサーと会うことはあるが、個別で会うことはない」

　金「ホームパーティーでの食事あったが、それ以降はない」

　清「打ち上げとか大人数の会食の同席はあったが、意に沿うものであるかは分からない」

　―当事者の女性がＡプロデューサーの手引きで港氏の誕生会に参加させられたという報道については

　港「その日が誕生日なので、後輩がお祝いの回を開いてくれて、７～８人が参加してくれた。参加者の名前はご容赦願いたい。そのなかに、女性もいました。和やかで楽しませていただいたのですが、女性が喜んで参加していたのか気が進まないのかは思いは至らない」

　―社内での会食・会合を編成幹部が行っていたことについては

　港「先輩後輩で付き合いがある人の１人なので…。特別な１人というわけではないんですが、会を開いてくれたこと自体はありがたかったなと思います」

　―日枝氏が会見に出ていないこと、進退をはっきりされていないことについて

　嘉「日枝には相談することはあります。知見がありますから。ただ、日常業務は私と港で決めておりました。この会見はフジテレビの業務の範囲内。相談役の日枝が出席していないのは、そういうことですね」

　―前回の記者会見について

　港「メディアの信頼性を揺るがすやってはいけない会見。最終的な判断は私。大きな判断間違いだったと重ねてお詫びを申し上げたい」

　―検証作業、番組を作る考えは

　遠「検証番組は、これだけ大きな自体、第三者委員会のあと、メディアとしてやらなくてはいけない」

　―１０月のイベント「トリエンナーレ」への影響は

　遠「予定通りできるとは思いません。中止かはきまってない。延期はあるかも知れない」

　―女性アナウンサーを人気タレントの接待要員として同席させるというような空気が会社としてあることを感じたことはあるのか

　港「女性アナウンサーが仲間の１人として同席することはありますが、私自身は接待要員として考えたことはありません。全てが私のような宴席なのか図りかねますが、風土としてそういう色がついているとは思いません」

　―女性の人権侵害、一部だけが把握していて、他の社員とは共有していなかったのか

　港「共有していませんでした」

　―コンプライアンス室とは

　港「連携していませんでした。彼女の心身を考えできるだけ少人数で職場復帰居まで寄り添おうと。今考えると、女性のお手伝いをコンプライアンス室と取り組めば良かった」

　―問題が起きたときのルールはなかったのか

　港「あるし、機能もしています。この案件は特殊だった。今考えると違うやり方があったのではないかと」