【フィギュア】織田信成 演技前から涙、終わっても涙…万感のラストダンス、2度目の現役に終止符「一区切り。やり残したことはない」
スポーツ報知 / 2025年1月29日 20時2分
◆フィギュアスケート▽国民スポーツ大会冬季大会 第3日(29日、ヘルスピア倉敷)
2度目の現役生活を送る2010年バンクーバー五輪代表の織田信成(大阪)が、ラストダンスを舞った。成年男子フリーに臨み、128・85点、合計206・45点で4位。冒頭の4回転トウループを転倒するなど「今シーズン、一番悪い演技で。それがラスト、なんか自分らしいな」としつつ「滑る前に母親が温かい言葉をくれて、自分は幸せ者だなと感じながら滑ることができた」と、現役最後の演技に万感の表情で語った。
ショートプログラム(SP)2位から臨んだフリー。織田は演技前から、すでに泣いていた。リンクサイドで、母の憲子コーチとおいの信義(大阪)が涙。つられて目元を拭ったが「幸せだったし、感謝の気持ちでいっぱい」。演技後も涙の抱擁。「これで最後やから、楽しんで来なさいと言われて。気持ちが高ぶった状態になってしまって。いい演技を届けられたらと思ったけど、こういう終わり方も自分らしくてありなんかな、と」と、優しく笑った。
2013年に一度引退。競技者としてやりきるため、22年に復帰した。昨年の全日本選手権では、37歳ながら4位入賞。今季SPは「マツケンサンバ」を演じ、観客を魅了してきた。3度手術したという膝の限界を感じ、今大会限りでの引退を表明していた織田だが「ここに来て、今、膝が絶好調」とまさかの告白。「今は悔しい、もう帰って練習したいという気持ち」とアスリートの心をのぞかせたが「でも気持ちの部分では、これで一区切り。やり残したことはない」と、潔く語った。
異例の再挑戦。「37歳になっても上達できる部分があるんだな、と実感できたことは、復帰してよかったこと」と振り返る。今後については「次、頑張る選手たちのサポートに回れたら」と織田。ファン、母、家族など全てのサポートに感謝し「また来シーズン、五輪もあるので。そこに向けてまた違う形で携われたら。そっちの応援をしてもらえたらありがたいです」と、次なる一歩を踏み出した。
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