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まだまだ現役 日本ハムの80歳スカウトからもらう前向きな気持ち 

スポーツ報知 / 2025年1月31日 16時0分

◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 昨年11月から2度目の札幌に赴任した。日本ハム担当として日本一を経験させてもらった2006年以来、18年ぶりだ。

 先日、鎌ケ谷の2軍施設で変わらず元気そうな姿を見かけた。スカウト部長としてダルビッシュの1位指名に踏み切り、GMとしても大谷の指名に大きく関わった山田正雄スカウト顧問(80)だ。独自視点の選手評価はいつも勉強になった。

 担当のころはドラフト1位が豪華。03年の糸井に04年はダルビッシュ、高校生と大学生・社会人の分離開催だった05年は、翌年の新人王に輝いた八木と陽仲寿(岱鋼)。06年も高校生で吉川を指名している。印象が深いのはやはりダルビッシュ。素行に疑問の声も上がっていたが、決め手はU18日本代表での姿だったという。「打たれて降りた後、どうするかと思って見ていたら、ベンチの前に出てワーワー応援してた。大丈夫だと思ったね」と後に教えてくれた。

 私がアマ野球担当だった19年のこと。ある大学生が変化球に崩され、三塁側にボテボテのファウルを打った。山田顧問は「ファウルになるのがいいよね。あれがフェアゾーンに飛ばずにね。打つだけならこの子がいいと思う」。アウトを回避した技術が目に留まったのだろう。東洋大・佐藤(ロッテ)ら、大学生捕手が豊作といわれた年。評価したのは慶大・郡司だった。ドラフト指名はなかったが、23年シーズン中にトレードで獲得。昨季は主軸としての活躍を見せた。

 昨年9月で80歳となり、キャンプやセンバツ視察など、出張は認められなくなったという。それでも、まだまだ現場を離れるつもりはない。「この辺(関東)から掘り出し物が出てきたら僕だと思って」と、いたずらっぽく笑った山田顧問。50代が迫り体の不調を感じることが増えた記者も、ここからだと思わされている。(野球担当・山口 泰史)

 ◆山口 泰史(やまぐち・ひろふみ) 2001年入社。日本ハム、ヤクルト、楽天などを担当。北海道、東北、北海道と3度目の支局勤務。

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