低迷予想のパドレス ダルビッシュは日本人メジャー通算最多勝に１３、アジア人記録にあと１４

ダルビッシュ有

　米大リーグでは毎年、成績を予測するサイトが少なくない。米スポーツデータサイトの「ファングラフス」の予測システム「スチーマー」で占った数字を見ると、日本人６投手が１０勝するとの予測を発表した。

　そこで注目したいのは今年８月に３９歳を迎えるパドレスのダルビッシュ有投手。渡米１４年目を迎え昨年までにメジャー通算１１０勝、日米通算２０３勝。日米通算では黒田博樹投手に並ぶ最多となっているが、日本人メジャー単独では野茂英雄投手の通算１２３勝が記録。つまり１３勝すれば、野茂に肩を並べることになる。ちなみにアジア人記録は韓国出身の朴賛浩投手の通算１２４勝。過去１３勝以上を３度マークしているダルビッシュなら、故障なくシーズンを全うすればともに十分ターゲットになる。

　ただ、心配されるのがパドレスのチーム事情だ。昨季、ワイルドカードでポストシーズンに進出したが、オフになってオーナー家のお家騒動が表面化したことで緊縮財政になり他球団からのＦＡ選手の獲得は０。逆にジュリクソン・プロファー外野手がブレーブスへ、強力セットアッパーのタナ―・スコット投手がドジャースに、金河成（キム・ハソン）遊撃手がレイズに、カイル・ヒガシオカ捕手がレンジャーズにと主軸のＦＡ選手移籍して戦力ダウン。それに加え、昨季１４勝したディラン・シース投手のカブス移籍問題が再燃するなど低迷が予想されている。

　そんなチーム状況でダルビッシュがどこまで白星を積み重ねるか注目したい。

　蛭間　豊章（ベースボール・アナリスト）