“秘伝”が通用しない コラムというヤツ
スポーツ報知 / 2025年2月4日 16時0分
◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
海外スポーツ好きが高じて同業他社のアルバイトで原稿を書き始め、そのまま報知に入社。この仕事を始めて31年たった。
中学3年でNHKのBS放送が始まり、NBA、NFL、MLB、サッカーのW杯が一気に身近になった。夕食時にはブルズ戦を見ながら食卓を囲み「ジョーダンはすごかねえ」と父が言っていたものだ。NFLはQBモンタナ率いる49ersが全盛期(三菱電機のCMに出ていた。どんなモンタナ!)、自分は走れるQBのパイオニアであるカニンガム(イーグルス)推しだった。MLBは野茂英雄が渡米した95年から一気に放送が増えた記憶がある。
文系を進んできたが、国語は中高ずっと5段階評価の3がいいところ。得意教科は英語と数学。なぜ理系アタマで記者をそんなにも長くやっていられるのか。同窓会で「国語得意やったっけ?」と不思議がられたのは何度もあった。
業界には先輩方が築き上げてきた、文才に左右されず、一定のクオリティーが担保されるよう培われた秘伝の“テンプレ”がある。これに沿って大切なことから順に書いていき、一文が長すぎないように(これ大事)気をつけつつ、体言止めを連発せず(これもやりがち)、注意しておけば、ひとまず完成する。構成をロジカルに考えられる点では理系アタマが役に立っているかもしれない。
この一点突破で清水のアジア・カップウィナーズ杯優勝、02年W杯日韓大会、マリナーズ時代のイチロー取材など、なんとか乗り越えてきた。ただ、取材成果を取捨選択して、読みやすく提供する作業と違い、ゼロから表現を生み出したり、その時その時の感情を言語化するのは簡単じゃない。30年以上も記事を書き続けて、どうもうまくいかないジャンルが、このコラムというやつである。
◆西村 國継(にしむら・くにつぐ) 1997年入社。海外サッカー、静岡支局、デジタル編集などを経て24年から20年ぶりにメジャー担当に復帰。
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