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「何をやっても楽しい」大森南朋52歳、俳優にバンドにパパに…原田芳雄さん松田優作さんに「憧れ続けて頑張る」

スポーツ報知 / 2025年2月8日 10時0分

バンドのリーダーでギタリストの塚本史朗が経営する中目黒のバー「I gotta」で取材に応じた大森南朋(カメラ・頓所 美代子)

 俳優の大森南朋(52)が独自の人生観について語った。芝居と並行してロックバンド「大森南朋&THE OLD BLUE BANDITS」のボーカルとして精力的に音楽活動。1月に初アルバムを発売し、今月11日に東京・下北沢のCLUB251でリリース記念ライブを開催する。ほどよく肩の力が抜けた緩さが魅力で「50歳を過ぎてから、映画もドラマも音楽も、何をやっても楽しい。長めの余生が始まっている感じ」と表現する。(有野 博幸)

 予定時間より10分ほど早く取材場所に姿を見せた大森は「何でも聞いてください」と言って、席に着いた。柔らかい空気を漂わせ、決して周囲を緊張させない人だ。

 根っからの前向きな性格で「物事を深刻に考えないし、落ち込むこともあまりないですね。芝居がうまくできなくて1か月の舞台が終わったこともあるけど、『終わったから、いいか』と思っちゃう」。50歳を過ぎて、その傾向が強まり「生き方が定まってきたのかな。前向きに頑張りながらも、長めの余生が始まっている感じ。大変な世界ですけど、現場に呼んでもらえるのが純粋にうれしいし、ものづくりの過程が楽しい」と笑顔を見せる。

 「好きなことだけをしようとは思っていないけど、気付いたら結果的に好きなことばかりやっています」。そんな誰もが羨むことを言っても、嫌みを感じさせない。ここ最近は俳優業の傍ら、バンド活動を行い「違う脳みそを使って活動できるから心のバランスがいい。ライブでお客さんの反応を感じられるし、俳優の仕事にも生かされると思います」と語る。

 1月に発売した「―BLUE BANDITS」のアルバムのタイトルは「MIDDLE KICK」で「僕らと同じ中年世代、疲れている人もいますから、元気になってもらえれば」という思いを込めた。11日のライブには、11年に大森が中心となり結成して現在は活動休止状態のバンド「月に吠える。」も出演し、対バンする。バンドとしての目標を尋ねると「Mステ(テレビ朝日系音楽番組『ミュージックステーション』)に出たいな。緊張しそうだけど」と声を弾ませた。

 俳優で舞踏家の麿赤兒(まろ・あかじ、81)を父に持つ。「幼い頃から父親がしていることは何となく分かっていて、渋い映画に興味はありました。ただ、英才教育は全くなかったです」。高校時代は「ザ・ストリート・スライダーズ」に憧れてバンド活動に熱中。卒業後はバンドを続けながら古着店でアルバイトをして自主映画に出演したり、Vシネマのオーディションを受けて「漠然とした将来の不安を回避していましたね」。

 転機になったのは、オーディションに合格して映画「殺し屋1」(三池崇史監督、2001年)に出演したこと。「これで役者としてイケると思いましたね。全然、イケなかったけど(笑)」。この映画で出会った浅野忠信(51)は、北野武監督(78)の映画「首」(23年)でも共演した盟友だ。

 「浅野くんは映画に愛されたトップスター。スッと立っているだけで味がある。本当に素直な人で、ある種、天才です。僕ら世代のみんなが憧れる存在」と敬意を表する。浅野が時代劇ドラマ「SHOGUN 将軍」でゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞したことは「海外で頑張っている姿も見ていたから、羨ましくも、うれしかったですね」と自分のことのように喜んでいる。

 北野監督の最新作「Broken Rage」(Prime Videoで14日配信スタート)でも刑事役で浅野とコンビを組む。「暴力映画における笑い」をテーマに前半が骨太のアクション、後半が同じ設定でコミカルなセルフパロディーという2部構成の実験的作品。「お笑いに関してプロ中のプロである武さんにコメディーを求められるってハンパないプレッシャーです。『お笑いは結局、間(ま)だよ』と言われましたけど、難しかったです」

 プライベートでは、12年に女優の小野ゆり子(35)と結婚。19年に第1子の長女が誕生した。「子供が、かわいくて仕方がないんですよね。こんなにかわいいものなのかと日々、思う。この子のためにも仕事を頑張らないといけないと思うし、酒を飲み過ぎないようにして、長生きしたい」と目尻を下げた。

 子育てをすることで、初めて気付いた感覚がある。「自転車に乗って保育園の送り迎えをしているんですけど、それがすごく新鮮。『おはようございま~す』ってあいさつして『こんなに平和な時間があるのか!?』と思いますね。パパ友と一緒にご飯を食べに行くこともあります」と明かした。

 俳優として約30年。北野監督の映画「アウトレイジ 最終章」でコワモテのヤクザを演じたと思えば、TBS系ドラマ「私の家政夫ナギサさん」では「おじキュン!」ブームを巻き起こした。原田芳雄さん(11年死去、享年71)、松田優作さん(89年死去、享年40)が憧れの存在で「演じ方というより生きざまが好き。憧れ続けながら、まだまだ頑張りたい」。悲壮感が一切ない、晴れやかな表情で語った。

 ◆大森 南朋(おおもり・なお)1972年2月19日、東京都生まれ。52歳。93年に映画「サザンウィンズ トウキョウ・ゲーム」でデビュー。2003年の映画「赤目四十八瀧心中未遂」「ヴァイブレータ」で注目され、NHKの主演ドラマ「ハゲタカ」(07年)でブレイク。ほかにNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」(22年前期)、日テレ系ドラマ「厨房のありす」(24年)など。兄は映画監督の大森立嗣。178センチ。

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