キャンプ開始から唯一１軍でブルペン入りせず 巨人・大勢がマイペース調整を崩さない理由

木の花ドームで調整する大勢

　静寂の中で集中した。巨人・大勢投手（２５）は自己流マイペース調整を崩さなかった。ここまで宮崎キャンプでは１軍投手陣で唯一、ブルペン入りなし。マルティネスが剛球を披露し、周囲を驚かせたかたわら「焦っても良くないっていうのは４年目でよく分かっている。早く暖かくなることを願っています」と冷静だった。暖かい木の花ドームで約７０メートルまで距離を延ばし、キャッチボールした。

　自分は自分、と言い聞かせるように腕を振った。連日の大寒波に加え「リリースポイントもまだ合っていない」と全体練習後に一人、内海投手コーチに許可を取って屋内へ。「ライデルがブルペンに入ったので、自分だけですかね、あと入ってないの。周りに『いつ投げるの』とか言われると思いますが、ペースを乱さずに。めっちゃ寒いので」。１年間を戦い抜くためにベストな選択と信じて調整する。

　過去の教訓を生かしての行動ともいえる。開幕守護神として期待された昨春の宮崎キャンプは第１クールで右ふくらはぎを痛めて離脱。当時の後悔を知るからこそ、焦りは禁物という思いは強いだろう。「優勝したい気持ちが強い。沖縄では実戦に入るのでそれまでに」。心配無用といわんばかりの表情だった。（巨人投手担当・堀内　啓太）