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袋井宿で見つけた「たまごふわふわ」日本最古の卵料理とは 東海道五十三次・静岡の宿場町新名物

スポーツ報知 / 2025年2月8日 8時18分

とりや茶屋の「たまごふわふわ」(450円)

 東海道五十三次の県内にある地点ごとで注目のスポットなどを取り上げる企画(随時掲載)の今回は、県内22か所ある中で17番目の「袋井宿」。全体では27次目で中間地点となる同宿の名物は、日本最古のたまご料理「たまごふわふわ」だ。江戸時代に提供されていた料理をご当地グルメとして再現。実際に食べてみた。

 「たまごふわふわ」。謎めいた名前の料理だが、作り方は非常にシンプル。調味料が入っただし(1合7勺=306ミリリットル)を土鍋に入れて煮立たないように火にかける。その間に卵1個分の白身をメレンゲになる前まで箸で泡立て、黄身を混ぜたものを器に流し込み、10秒ほど蓋をして強火で蒸したものだ。

 2005年に袋井市観光協会が地元の新たな名物を模索。その際、1813年に書かれた文献「仙台下向日記」で、大名など身分の高い人が泊まる袋井宿大田脇本陣の朝食膳の一つとして記載された「たまごふわふわ」を知った。その名前にひかれ、地元料理店の協力で再現。07年、全国のご当地グルメが集結する「B―1グランプリ」に参加して7位に入り、19年大会では3位になるなど、着々と知名度を上げている。

 袋井では複数の店舗が同メニューを取り扱うが、“元祖”の味の再現に一役買う「とりや茶屋」の3代目主人・松下善行さん(65)を訪ねた。「元祖」を名乗るにあたってのこだわりは手作業。「卵をミキサーでかき混ぜる店が多いが、それは本当の意味で機械がない江戸の再現料理とは言えない」と松下さん。ミキサーを使えば均一の食感が出るが、手作業だと中心部にかけて食感の違いがあり、飽きがこなかった。

 卵と湯気が立つだしをれんげですくって口元に運ぶ。こだわりがあるだしのうまさも光る。再現時、協力した店舗は江戸料理事典を参考に独自の作り方を開発。松下さんは、袋井にかつてあった久野城への献上物リストから、昆布とかつお節を使っていると推測した。「自分が知る限り、手作業でやっている店は今はここだけ。自分が倒れるまでは、とにかく当時の味を届けていきたい」と使命感に駆られていた。(伊藤 明日香)

 ◆袋井宿 江戸時代における袋井宿は、幕府が宿駅制度を定めた1601年から15年遅れてできた。本陣が3軒、旅籠が50軒あり、秋葉山への参拝客でにぎわっていたとされる。

 ◆とりや茶屋 営業時間は午前11時半から午後1時半、午後5時から午後10時まで。定休日は月曜。住所は袋井市高尾町15の7。JR袋井駅から徒歩約5分。

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