「クールビューティー」が代名詞だったママさんカーラー歓喜「石が止まる前に喜んでしまって」、フォルティウス契約打ち切りから這い上がりV
スポーツ報知 / 2025年2月10日 5時30分
◇カーリング日本選手権 最終日(9日、神奈川・横浜BUNTAI)
決勝が行われ、女子は“ママさんカーラー”吉村紗也香(33)がスキップを務めるフォルティウスが、北海道銀行との「新旧、道銀対決」を延長の末8―7で制し、26年ミラノ・コルティナ五輪出場への夢をつないだ。21年11月末に北海道銀行との契約が切れ、同12月以降の現体制になってから初の戴冠を果たした。代表権を獲得した3月の世界選手権(韓国)は五輪出場枠獲得の大役を担う。男子はSC軽井沢クが2大会ぶり11度目の制覇。
決着がつけばノーサイドだ。スキップの吉村は、握手を求めてきた古巣のチームメート、北海道銀行の田畑百葉(22)をグッと抱きしめ「強かったよ」と言葉をかけた。涙を流し、健闘をたたえた相手はかつて自分たちのチームが冠した「北海道銀行」。急成長した若手チームとの死闘を制し、吉村は「まだまだ負けない気持ちだった」とプライドをのぞかせた。
決勝戦は7―5の2点リードから最終第10エンド(E)に追いつかれた。迎えた延長戦。吉村の最後のドローショットがハウス(円)中心近くに止まれば勝利が確定する。満員の約2000人観衆からわき起こった拍手と手拍子に包まれながら、石は真ん中に吸い込まれた。かつて「クールビューティー」が代名詞だった吉村も思わず「石が止まる前に喜んでしまって。うれしさが石が止まる前から出ちゃいました」。
ゼロからはい上がったチームだった。吉村をはじめチームの多くが北海道銀行の「元所属」。施設、遠征費と恵まれた環境にあったが、14年ソチ五輪5位入賞後18年平昌、22年北京と五輪出場を逃し、21年11月末には北海道銀行からスポンサー契約を打ち切られた。
エリート街道からまさにどん底へ。すべてを失ったが、支えたのは「五輪への夢」だった。スポンサーを集め、秋の海外遠征には、クラウドファンディングで資金を募った。一昨年12月に第1子の長男を出産し2季ぶりに復帰した吉村は「いつか笑える日がくるんじゃないかという気持ちでやってきた。周りのサポートがあってここまで強くなれた」。今大会MVPのサード・小野寺佳歩(33)は「みんながいれば何とかなる」という思いでこの3年余りをともに歩んできた。
日本の女王として、3月の世界選手権では五輪出場枠を獲得する責務を負った。4年前に一騎打ちで敗れた五輪メダルのロコ・ソラーレ、昨年優勝のSC軽井沢との9月の五輪代表候補決定戦での三つどもえへ「強い覚悟を持っている」と吉村。チーム名を意味する「より強く」を信条に、五輪ロードの第一歩を踏んだ。(松末 守司)
◆フォルティウス 2011年に「チーム青森」で五輪経験もある小笠原歩、船山弓枝らが中心となり北海道銀行フォルティウスとして創設。札幌を拠点として活動してきた。14年ソチ五輪(5位)に出場後、吉村紗也香が加入するなど、メンバーを入れ替えながら五輪に挑戦してきたが、18年平昌、22年北京と2大会連続で五輪を逃し、21年11月末に北海道銀行との契約が終了。その後、クラブチームとして再出発した。チーム名はラテン語で「より強く」の意味がある。
◆五輪代表候補決定戦 9月に北海道・稚内で実施。女子は世界ランク日本勢最上位の5位で今大会3位のロコ・ソラーレ、前回優勝のSC軽井沢ク、今回優勝のフォルティウスの三つどもえの争い。男子は前回優勝のコンサドーレ、今回優勝のSC軽井沢クの一騎打ち。
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