前田敦子、今は子どもが人生の軸「子どもより大事なものはない」仕事にも情熱燃やしながら迎えたデビュー20周年
スポーツ報知 / 2026年2月14日 10時0分
女優の前田敦子(34)が、昨年にデビュー20周年を迎えた。アイドル、女優として第一線で活躍し続けながら、今は育児にも汗を流す。節目を機に13日には自身14年ぶりとなる写真集「Beste」(講談社)を発売。同作に込めた思いや、この20年で貫いてきたもの、今後についてなどを語った。(松下 大樹)
朝から既に10本近くの取材を受けていた中だったが、前田は温かい笑顔で迎えてくれた。「来ていただいて、うれしいです!」。疲労の色は全く感じさせない。明るく一人ひとりと向き合う姿にプロフェッショナルの一端を見た気がした。
次々と舞い込む仕事と同時に、小学校に通う息子の育児にも励む日々。2020年の事務所独立以降は、事務作業も一人で担う。多忙な暮らしを送るが、それは覚悟の上だ。真っすぐな目で「フリーでやらせてもらってるので、ちゃんと責任を持ってやりたい。大変だとか言ってる場合じゃないなと。『やるって決めたらやる』なんですよ」と熱弁した。
睡眠時間が限られそうだが「子どもと一緒に寝ちゃうことが多いので、9時半とか10時に寝てます。全然、ちゃんと寝てますよ」とほほ笑む。「『今日はやらない!』って決めたらやらないとか、メリハリを作ってます。すごい切り替えてますね」。ひょうひょうとした顔つきに心のゆとりが示されていた。
昨年、デビュー20周年を迎えた。言うまでもないが、アイドル、女優として常に第一線で活躍してきた。積み上げてきた数々の実績に「自画自賛できるタイプじゃない」としつつ、これまでの軌跡に「いろいろ考えながら進んだから今の20年があると思う。しっかり確認しながら、試してみながら歩んでこられたのは良かったなと思います」とうなずいた。
年末には、OGとしてAKB48の20周年記念公演やNHK紅白歌合戦に出演。大々的に節目を飾り「いろいろ盛り上げてくださったのがすごくうれしかったです」とかみ締めた。
この20年、貫いてきたのはより良い作品を生み出すことへの情熱。「良いものを作りたいという思いは何に対してもずっとあるタイプ。何でも、『良い!』と思った作品はやってみたいという好奇心に変わりはないですね」。アイドル時代は楽曲やパフォーマンス、今も映像、舞台などで演技の腕を磨く。“表現者”としての円熟味は、年を追うごとに増しているように見える。
一方で、息子を出産した19年以降は人生における仕事のあり方が変わり「自分の大事なものの軸が変わったかもしれないですね」と打ち明けた。「子どもより大事なものはない。子どものために自分のキャリアを犠牲にしたいとは思ってないですけど、今は子どもとの時間を大事にする中で、自分のやりたいこともやっていけば良いなと」。仕事も全力で取り組むが、息子とのかけがえのない毎日を何よりも大切にしている。
愛する子どもの話題になると、表情が一層柔らかくなる。今はフィギュアにハマっているそうで「芸術的なものが好きな子かもしれないです。いろんなキャラクターを組み合わせてポーズを決めさせてたりとか、そういうものに興味があるんだと思います」と優しく笑う。自身と同じ世界に足を踏み入れる可能性もあるといい「表に出るのは興味なさそうなので、裏方にいくんじゃないかなと。将来、やりたいことはあるみたいで楽しみです」と明るい声を響かせた。
13日には、その息子から「良い感じだね!」とお墨付きをもらったという14年ぶりの写真集「Beste」を発売。芝居業と同様、ここでも作品作りへの熱を注ぎ込んだ。「大人の恋」をテーマにオーストリア・ウィーンで一枚一枚を撮り下ろし「きれいなものって誰が見ても心の栄養になると思う。『ありのままの私』というふうな作品ではなく、大人の一人の女性としての“きれい”を残せたら良いな」と作り込んだ自分でカメラと対峙(たいじ)した。
今作は「最後の写真集」と位置づけており、撮影前には週3でピラティスに通ったほか、厳しい食事制限も自らに課した。「準備の段階から『今日が人生最後』と思ってやっていたから、本当にボクサーみたいな気持ちだったし、『最後の花嫁姿を見せるんだ』という気分でした。自分の限界に挑戦したかったし、ここまで頑張れるんだって思えるところまでやり切りたかった」
その成果は存分に発揮され「ストイックにやるのは嫌いじゃないなと思いました」と充実感をにじませる。「『体のここがきれいだな』『景色が良いな』『下着がきれいだな』でも良い。この写真集が、何かポジティブなものになっていたら良いなという気持ちです」と願いを込めた。
そんな写真集制作など大忙しの2025年から引き続き、今年も4月から上演される舞台「ポルノ」(東京・本多劇場など全国3か所)の出演が決定。ひっきりなしにオファーが届く。30代中盤を迎え、ここから40代、50代に向けてどのような人生を歩んでいくのか気になるところだが「あまり、先のビジョンを持つタイプではない」とキッパリ。「目標みたいなのは、良い意味で作らないようにしています」。未来の自分を型にはめることはしなかった。
ただ、確信を持って言い切ったことが一つある。「仕事をやめるという選択は、自分の人生には絶対ないですね」。間を置かず、早口気味に続けた。「仕事が好きなんですよ。どういう形をとるかはそのときによって変わってくると思いますけど、趣味の一つでもあるので仕事はずっとしてると思います」。前田の情熱は、どれだけ時間がたっても冷めることはない。
◆前田 敦子(まえだ・あつこ)1991年7月10日、千葉県生まれ。34歳。2005年、AKB48に1期生として加入。選抜総選挙で2度(09、11年)1位になるなど、エースとして活躍。07年、「あしたの私のつくり方」で映画デビュー。12年、AKB48を卒業。女優として活動を開始し、主な出演映画は「イニシエーション・ラブ」(15年)、「モヒカン故郷に帰る」(16年)など。19年、長男を出産。身長161センチ。血液型A。
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