『ライフ・オブ・パイ』アン・リー監督、「『リンカーン』など恐れていない」

ハリウッドニュース / 2013年1月17日 12時40分

アカデミー賞発表前に、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』のPRで来日したアン・リー監督 ハリウッドニュース

アン・リー監督が1月17日に東京・有楽町にて開催された『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』(1月25日日本公開)の来日記者会見に登壇した。

本作は、アカデミー賞で作品賞、監督賞をはじめ11部門にノミネートされている有力作。インドの青年が、動物園を経営していた家族とともにカナダに向かう途中に大海原で遭難し、輸送中だったトラと共に1隻のボートで送る漂流生活を描いている。

監督は、青年の旅や描きたかった部分について、「視覚効果はたくさん使ってはいますが、私はドラマを演出する監督なので、人間観察をしたり、人間関係を作ったりするわけです。これまで、人とどのようにかかわるか、何が正しいことなのか、どのように忠実に生きていくかなどを描いてきました。この題材が気に入った理由は、そのような対立や葛藤があることです。映画監督としては、自分(キャラクター)の内面をいかに表現するか、単に考えているだけでは(表向き、観客には)わからないので、何か行動をしなければならない。そこで、トラと出会うということが良い道具になったわけです」と語った。

「“パイ”は割り切れない数字(円周率を表すパイ)で、万人を表すキャラクターです。海洋上にいる彼は、社会との接点がなくなり、抽象的な意味で神と出会うことになります」「家族を亡くし、試練を受けることになります。リチャード・パーカー(トラ)は試練の象徴です。(中略)純粋さの消失、彼がいかに成長していくかという話です」。

そして、「感情移入できるものにするのが一番大変でした。これはかなり俳優に頼る部分です。若いころのパイと歳を経たパイが魅せてくれました」と俳優への賛辞を述べた。

また、アカデミー賞の有力対抗馬である『リンカーン』について聞かれると、監督は「『リンカーン』など恐れていません(笑)。まったくプレッシャーはありません。オスカーは、世界が見守る中、お礼を言いたい人にお礼を言えるのがうれしいことです。しかし、正直に言うと、今回の作品はとても変わったプロジェクトで、この映画を完成できたこと自体で非常に満足なんです。それ以外の賞はボーナスです」「『リンカーン』にも“グッドラック”と言いたい。(ノミネート部門数の)11という数字は名誉ですが、インド人俳優がノミネートされていないので、本来13(部門)であるべきだと思います」と本音をのぞかせた。

すでに各国でヒットを飛ばしてる『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』。アカデミー賞の行方も気になるが、ハリウッドの有名俳優は出演してはいないが、『ブロークバック・マウンテン』(05)でアカデミー賞監督賞を受賞したアン・リー監督が描く感動作は見ておきたい。【ハリウッドニュース編集部】

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