素人×トラが生き生きと! アン・リー監督が語る映画のマジック

ハリウッドニュース / 2013年1月25日 10時5分

素人俳優&トラ、しかし驚くほどの調和を見せる『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』 (c)2012 Twentieth Century Fox

アカデミー賞11部門にノミネートされている『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』(1月25日日本公開)のアン・リー監督が、本作の登場キャラクターについて語った。

この映画には、メインとなる2つのキャラクターがいる。1隻のボートで漂流生活を送ることになってしまったインドの青年パイ、そして1頭のどう猛なトラだ。

まず、青年パイについて。この主人公を演じたスラージ・シャルマは、3000人超の中から選ばれた。監督は、「彼がほとんどこの映画を背負うわけで、彼のことはすごく大事にしました。まだまだ技術的には教えることはたくさんありますが、彼は“自分を扱える人”だと思います。ベストのスタッフを集めましたが、撮影をするうちに、彼が素人だとは忘れていました」とそのポテンシャルの高さを話した。

「若くて純粋な青年なので、言ったことをそのまま信じこんでやるんです。熟練した俳優だと、やり過ぎたり癖が付き過ぎたりすることがあるので、それらを削ぎとって、彼のようになろうとしているんだと思います。彼は本当にパイになっていたので、私が彼をミスガイドしないことを心配したくらいです」と本音を覗かせた。

一方のトラは、実物を4頭用いつつ、CGによって描かれている。「彼らからたくさんのことを学びました。調教師からもトラの習性や動きを学び、それらに基づいて演出していきました」と監督。「(パイを撮るファーストユニットとは別に)セカンドユニットでは、本物のトラを揺れる装置の上で何週間も撮り続けていました。目や筋肉の動き、毛並みや尻尾などなど、そういうものを研究して、その後に2年かけて完成させたんです」とかなりの労力のたまものなのだという。

そして、「(CGの)アニメーターが自分の考えや気持ちで作り出すのではなく、トラの気持ちをそのまま描かなければいけません。トラの(映像としての)完成度が高いので、パイと同じような気持ちになって見えるんですね。トラ自身は何もしていなくても、我々が感情移入してしまうんですね」と作品内容にも通じた演出意図を明かした。

スタッフの努力、監督の演出と相まって、それらがスクリーンで見事に結実している。3Dで描かれる映像のみならず、スリリングな描写や精神世界までも反映される語り口は、映画の面白さを改めて感じることができるだろう。【ハリウッドニュース編集部】

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