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「支えてくれたのは妻」旧優生保護法は憲法違反 最高裁 国に賠償命じる 札幌の原告小島さんら逆転勝訴

HTB北海道ニュース / 2024年7月3日 18時57分

(c)HTB

旧優生保護法の下、不妊手術を強制された札幌市の男性らが国に損害賠償を求めていた裁判で、最高裁は、国に賠償を命じる判決を言い渡しました。

小島喜久夫さん(83)

「6年間、妻とふたりで頑張ってきました。何も言うことは言うことはありません。感無量です」

「憲法の番人」、最高裁の判断。それは、強制的な不妊手術の根拠となった「旧優生保護法」が憲法違反と認めるものでした。

札幌市北区に住む小島喜久夫さん83歳。19歳のころ、入院していた札幌市内の病院で、「精神分裂病」を理由に旧優生保護法に基づく強制不妊手術を受けさせられたといいます。

小島喜久夫さん)

「不幸か幸せというのは自分で作るものであって、私はそういうこと(強制不妊手術)を国にされて、やっぱり一生(子どもが)できないってことは本当に悔しく思っています」

2018年、小島さんは全国で初めて実名を公表し、国を相手に裁判を起こしました。

憲法で保障されている子どもを産むか産まないかを選択する権利を奪われ、著しい精神的苦痛を被り続けているとして、国に1100万円の慰謝料などを求めました。

争点となったのは、不法行為から20年が経過すると賠償請求権が消滅する「除斥期間」。1審の札幌地裁は「除斥期間」を適用し小島さんの訴えを棄却。一方、2審の札幌高裁は「除斥期間」を適用をせず小島さんが逆転勝訴。

小島さんは訴え起こしてから6年間、妻・麗子さんと二人三脚で司法の場で戦い続けてきました。

妻・小島麗子さん)

「勝てると思うけど、信じている。お父さんが気が済むようにね。いままでつらい思いしたんだからね、人にも言えないでね」

小島喜久夫さん)

「人生を踏みにじられてね、本当に国はね悪いし、私は本当に絶対許せない」

最高裁判決が言い渡される運命の日。

新千歳空港から東京に向かった小島さん。

小島喜久夫さん)

「きのうから寝れませんでしたよ。いい判決が出ると思って期待してます」

須藤真之介記者)

「いま小島さんが『勝訴』と出しました。最高裁が国の賠償責任を認めました」

最高裁で言い渡された判決。2審に続き、「除斥期間」の適用は認めず、国に賠償を命じました。小島さんの勝訴が、確定しました。

小島喜久夫さん)

「長かった6年間。私83歳になるけどこれからもこういう活動を続けていきたい。本当にうれしいです。」

<スタジオ>

最高裁の判決をHTBの須藤記者が廷内で取材しました。判決が言い渡された時の札幌の原告、小島さんの様子はどのようなものでしたか?

須藤真之介記者)

原告である小島さんは私の後ろにある最高裁で判決を聞くため午前9時すぎに札幌から東京に向かいました。私は午後3時から始まった最高裁の大法廷での判決を傍聴しました。裁判長が判決文を読み上げているとき、小島さんは時折、涙を流しながら、判決を聞いていました。

判決の読み上げが終わると小島さんは妻の麗子さんの元に行き法廷内でお互いに涙を流しながら握手し、「本当に良かった、良かった」と話していました。

小島さんは判決後の取材に対し、妻の麗子さんは「この6年間、一番支えてくれたのは妻」「どんな時も離れず私を支えてくれたのでお礼を言いたい」と話していました。

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