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父親「無差別殺人だ」 インスリン注射し食事せず 意識もうろう運転で男児はねられ死亡 札幌地裁で初公判

HTB北海道ニュース / 2024年7月9日 19時56分

(c)HTB

今年5月、登校中の小学4年生の男子児童が車にはねられて死亡した事故。運転していた男の1回目の裁判で、遺族の父親がつらい胸の内を語りました。

西田倖さんの父親:「本当に陽気だし、人を笑わせたり、楽しませる存在だった」。

今年5月、札幌市豊平区で小学4年生の西田倖さん(9)が登校中に横断歩道を渡っていたところ、右から来たワゴン車にはねられ死亡した事故。逮捕・起訴された、花田光夫被告64歳。起訴状などによりますと、花田被告は糖尿病で、当日の朝にインスリン注射をした後、食事をとらずにワゴン車を運転。運転中に意識障害に陥り、倖さんをはねて死なせたとされています。

本間壮維記者:「車にはねられて死亡した男の子の父親が、いま札幌地裁へと入っていきます」。

9日午後2時に、札幌地裁で開かれた1回目の裁判。冒頭で、花田被告は起訴内容を認めました。

「私自身は記憶がありませんが、現場検証などをしていますし、間違いないと思います」。

検察は、花田被告が2013年ごろから糖尿病を患い、インスリン注射で血糖値をコントロールしていたと主張。しかし、事故当日は朝食をとらず車を運転したため、血糖値が下がりすぎて意識もうろうになっていたと指摘しました。弁護側の被告人質問では…。

弁護人:「事故を起こした日の朝にインスリン注射をした後、食事をしなかったのはなぜですか」。

花田被告:「朝食を食べる習慣が無かったので…」。

弁護人:「前日にも同じように事故を起こしていますよね?運転をやめようとは思わなかった?」

花田被告:「会社に入ったばっかりで、社長には休んでいいと言われたけれど。迷惑をかけるんじゃないかと」。

9日は、倖さんの父親も被害者参加人として出席。花田被告に直接質問しました。

倖さんの父親:「医師の指示に従わなかったのはなぜ?」

花田被告:「始めは規則正しく飲んでいましたが、調子が良くなったら飲まなくなりました。そのことを誰にも注意されませんでした」。

また、倖さんの父親は、事故当日や息子を失った今の気持ちを述べました。

倖さんの父親:「『横断歩道は青だったのに何で僕死んじゃったの?ほかの友達が同じことにならないようにしてほしい。』倖の気持ちを代弁して、ここに来ています。この事故は、車という凶器を使った無差別殺人だと思う。被告には、与えることのできる最大の刑罰を与えてほしい」。

検察側は「不規則かつ身勝手な判断によって、事故を起こした過失は重大」などとして、花田被告に禁錮4年を求刑しました。一方の弁護側は、過失を認めているなどとして、執行猶予を求めました。

裁判の最後、花田被告は傍聴席や倖さんの父親に向かい何度も頭を下げてから、こう述べました。

「ご遺族の皆様、本当にすみませんでした。頭を下げることしかできません。本当にすみませんでした」。

倖さんの父親:「事故が起きるまでの幸せだった日々、それが事故によってどう変わってしまったのか。事故について私が思っていること、被告人に対しての思い、そして倖がこの事故を受けて亡くなってしまったことに対して、息子が何を伝えたいかを言葉にして伝えようと思った。被告人に謝罪の意思があるとは、全く感じていませんし。結果的に病気のせいだとか、薬のせいだとか、被告人は終始他責にして終わった裁判だったというのが率直な感想です」。

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