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「プレハブ小屋も」太陽光パネル準備着々? 世界自然遺産に登録された知床半島で対立「もっとやり方が…」

HTB北海道ニュース / 2024年7月17日 18時10分

(c)HTB

19年前の17日、道内初の世界自然遺産に登録された知床半島。先端部分での携帯電話基地局の設置を巡り、自然保護と安全確保の立場で対立が起きています。

中川宙大記者)

「プレハブ小屋と思われるものは2階建てがいくつかあります。下の方にはビニールシートにかぶせられたもの、資材のようなものも見えます」。

雄大な自然と豊かな生態系を持つ、世界自然遺産・知床。その先端の知床岬付近で、ある工事の準備が着々と進んでいました。国による、携帯電話の基地局設置の計画です。

2年前の知床沖での観光船沈没事故では、船長が携帯電話を通信手段としていましたが、事故現場は圏外でした。事故を受け、知床岬にはサッカーコート1面分に相当するおよそ7000平方メートル264枚の太陽光パネルを電源として設置する計画が立てられました。さらに、およそ2kmにわたり土を掘り返して電線などを埋める予定です。

しかし、景観が損なわれることへの懸念や火災のリスクもあり太陽光パネルの設置には反対の声も。

午來 昌氏(元斜里町長)

「提出させていただきます。よろしくお願いします」。

斜里町・山内浩彰町長)

「重く受け止めさせていただきます」。

こうしたなか17日、知床半島の西側・斜里町では、住民団体が町長に対し太陽光パネル設置に反対するおよそ4万8000人分の署名を提出しました。

提出した午来昌さんは、2005年に知床が世界自然遺産に登録された時の斜里町長です。

午來 昌氏(元斜里町長)

「携帯基地絶対反対というわけではなくてもっとやり方がいろいろあるだろうと、もっとその辺の議論を詰めて方向性を出してほしい」。

ただ、現在基地局の建設工事は中断しています。

基地局の建設予定地周辺に国の天然記念物、オジロワシの巣の跡が残されていることが判明したからです。専門家は工事の影響でオジロワシが知床からいなくなる可能性もあるといいます。

東京農業大学・白木彩子准教授)

「(オジロワシの)行動圏の中に人為的な物が作られるとそこが使われなく、使うことが出来なくなってしまうことが考えられる。(工事の)影響が大きかった。影響が長く続けばいなくなる可能性もありますね」。

一方で、知床半島の東側にある羅臼町。湊屋町長は漁業者の安全確保の観点から基地局の整備推進を求めています。

羅臼町・湊屋稔町長)

「太陽光パネルの設置を要請したわけじゃなくて、電波の不感地域の解消を国に要請し続けてきたんですよね。電波の不感地域の解消という目的は羅臼町にとっては非常に重要な問題と思っている」。

環境省は「地元の調整状況を注視したい」としています。

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