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美瑛の山奥で家具などを再生新たな持ち主へ その思いとは「AntaaLab」の取り組み

HTB北海道ニュース / 2024年8月21日 14時47分

(c)HTB

かつて野菜の直売所やカフェだった建物に、使われなくなった家具や雑貨を引き取りにやってきました。

大谷薫さん「これはもう全部処分する物?」

引き取りを依頼した客「どうしようかと思ってこの建物自体取り壊すことになったんで、誰か(中の物を)使う人がいればなと思って。欲しい人は凄く欲しいと思うんだよね。」

テーブルやバスケットなど軽トラックの荷台いっぱいの物をお引き取りしました。

引き取ったものが到着したのは

美瑛町の山奥にある古材インテリアショップ「AntaaLab」。

「Antaa」はフィンランド語で「循環」を意味します。

築44年のこの建物は、19年前に廃校となった「五稜小学校」の小さな校舎でした。

その校舎が大谷さんの手によって2年前にショップとして生まれ変わりました。

引き取ってきたものは、すぐに洗ったり磨いたりして綺麗にします。

物の特徴や素材に合わせて一つひとつごみにならないためのリデュース、そしてリユース、リデザインされていきます。

AntaaLabスタッフ・村田愛子さん「とりあえず形合うんじゃないかと思ってつけてみたらちょうど良かったっていうことはよくあります」

先ほど引き取ってきた農業用の「じょうご」は、おしゃれな照明器具へと生まれ変わりました。

かつて教室だった店内には、様々な家や店、解体現場などから引き取られてきた古い家具や雑貨、古材などがずらりと並んでいます。

AntaaLab大谷薫代表「元々インテリアと建築のお仕事をしていて、少しずつリフォーム工事を請け負うようになったんですよね。そこで建築の工事現場から沢山の廃材が出る。または、まだまだ使えるのに処分してしまうような産業廃棄物が沢山出る現状を目の当たりにして、非常にもったいないなと思いました」

愛着のあった物を大谷さんへ託す人たちには様々な思いがあり、中には泣く泣く手放す選択をしている人もいるといいます。

そうして大谷さんに託された物には、使い続けてもらえるようにと工夫が込められます。

AntaaLab大谷薫代表「和風のお茶碗が沢山出てくるんですよね。引き取りの中で。これもお茶碗で作った照明器具、ペンダントライトですね」

「底が平だと照明器具のシェードにしか見えない。これはきっと今に照明器具になっていると思います」

また、古い和ダンスを活用したキッチンも。タンスの木の素材や昔ながらの金具などをそのままに活かし、食器の重さに耐えられる強度や、排水の機能などを整え、キッチンとしてリメイクされたものです。

大谷薫さん「こっちが元になったタンスですね。元になったタンスはやっぱり引き出しも渋かったりとか、きちんとはまらないとか、実は本当に色々不具合があって、なかなかこれにお洋服を入れるっていう気持ちにはならないじゃないですか」

多くの古材が並ぶ体育館の中には小さな工房が。

「AntaaLab」へ引き取られたものはここで新たな形へと生まれ変わっていきます。

AntaaLab家具職人・山口一心さん「このグラグラ直してくれとか、ちょこっと来てちょこっと直してあげればまた復活するからさ。そしたら捨てなくて済むっしょ。

こういう仕事は面白いよね。やりがいあるっちゅうかさ」

この道40年になる家具職人の山口一心さん。

以前は旭川の企業に勤めていて、家具を作り続けてきました。

山口さんの手にかかれば、家具の修理からリメイクまでどんなものもアイデア詰まった作品に。

山口一心さん「古い材料って人工的に似せてやってもなかなか同じ味出ないからさ。だから古い材料も貴重かな」

古材の切れ端だった部分が、あっという間に温かみのある照明器具へと生まれ変わりました。

山口一心さん「こんな今まで捨てているような材料でも、ちょっとしたアイデアで形になったりもするからそれもここに来て発見だったけどね色々と。簡単だけど捨てちゃうのは心苦しいっていうかね。そういうときにここを活用してもらえたら」

来店した客「いやちょっと懐かしい。懐かしすぎる」

店には、古いものが好きな常連客や、DIYをするための材料を探す人など様々な目的を持った人が訪れ、楽しみます。

来店した客「想像していたよりすごく学校の名残があるし、見ていたら色々なものがあって面白い」

「素晴らしいと思います。やっぱり今レトロブームもあるので、それにもはまっていていいと思います」

来店した客「ここ初めて来ましたけど通うと思いますね」

朝、引き取られ店頭に並んだばかりのじょうごを使った照明も、早速新たな持ち主の手にわたっていきました。

来店した客「これを外にバーベキューの椅子みたいなものとテーブルみたいなイメージで」

AntaaLab家具職人・山口一心さん「多分、これにガチっとつけるよりは、脚は脚だけで自立させて乗っけるくらいのほうが」

庭で使うテーブルをDIYで作るため材料を買いにきたというご夫婦。

天板はすぐに決まりましたが、取り付ける脚に悩んでいたため、山口さんが相談に乗りながら要望に応えていきます。

来店した客「昔どなたかのおうちの梁だったものとかをこのまま大切に使っていけるっていうのは、嬉しいことですね。思いがけずなものも色々あって来た甲斐がありました」「とてもいいものが見つかってよかったです」

新たな持ち主のもとへ渡ると、お嫁に出したような気持ちで嬉しくなるという大谷さん。

商品だけでなく、空間も存分に楽しんでほしいと話します。

AntaaLab大谷薫代表「『わー!懐かしい!』とか『これ我が家にあった』とかそういう歓声がよく聞こえるんですよね。なのでそういう意味でもちょっとノスタルジックな気持ちになっていただけるのかなと思ったり。あとはここ電波が弱く、携帯が鳴らないと思いますから、普段の生活からちょっと離れて自分の時間を過ごしてもらえるような活用をしていただけたらと思います」

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