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住民に焦り「逃げ場所がないんですよ」津波避難タワーの建設に遅れ 補助金が要望の8割で 釧路町

HTB北海道ニュース / 2024年9月6日 16時50分

(c)HTB

北海道内では千島海溝沿いで巨大地震が発生する可能性が高いとされ、北海道東部を中心に深刻な津波の被害が想定されています。津波避難施設の建設が急がれる中、当初の計画から遅れる自治体も出てきています。

櫻井靖大記者)

「こちらでは津波避難タワーの建設が着々と進んでいます」。

釧路町の住宅街で建設が進んでいる「津波避難タワー」。高さはおよそ11メートル。1基でおよそ400人の収容が可能で来年1月に完成する予定です。

千島海溝沿いで切迫している巨大地震。国と道によりますと、もし発生した場合、20メートルを超える巨大な津波が道東の沿岸地域に押し寄せる可能性があるということです。JR釧路駅は2階部分の高さに相当するおよそ5.4メートルまで浸水することになります。

釧路町の川沿いの住宅街では川を遡ってきた津波により最大5メートルの浸水被害が想定されています。2階建ての建物は水没してしまう高さです。近くに避難できる高い建物がないことから、釧路町は周辺に津波避難タワー4基の建設を計画。今年度中に完成させる予定でしたが…

櫻井靖大記者)

「こちらの公園も建設予定地ですがまだ工事は始まっていません」。

釧路町によりますと国からの補助金が要望の8割ほどに留まっているため、4基のうち1基は完成が後ろ倒しになってしまったといいます。国は津波で甚大な被害の恐れがある自治体を特別強化地域に指定。避難施設の建設費用などの3分の2を補助しています。一方で、要望する自治体が増えたことで交付率は減っているといいます。

整備が進まない状況に住民は不安を募らせています。

北見団地町内会・小野恵三会長)

「逃げ場所がないんですよ、孤立状態になる」、「できれば一刻も早く、国の予算もあるが作ってほしいのが本音」

住民「能登も(津波が)来てたから『もしかしたら北海道も』という感じ。(タワーが)近くにできていいなと思ったけど来年できるというのでショック受けてますね」。

釧路町・藤井正樹防災安全課長)

「我々としては整備を1日も早くという考え方」、「当面避難タワーが完成するまでは従来通り指定施設に避難することを啓発しています」。

道内でもいつ起こるかわからない巨大地震。専門家は備えが欠かせないと話します。

北海道大学大学院地震火山研究観測センター・高橋浩晃教授)

「太平洋沿岸が特に津波によって甚大な人的被害が出るというような想定が国と道の方から示されています。防災対策の見直しをすることをもちろん考えていただきたいが、何よりも大事なのは普段からの備えです」。

地震による被害を最小限に抑えるため、自治体だけではなく私たち一人一人が備えの意識を持つことが必要です。

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