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【追跡】“不正受給”に続き同系列の会社は障がい者への「給与未払い」実質的経営者の男性は取材に対し…

HTB北海道ニュース / 2024年9月6日 20時20分

(c)HTB

保育園の認可を札幌市から取り消された会社「中和興産」をめぐり新たな展開です。実質的経営者の男性が運営する、障がい者の就労を支援する施設でも、給与の未払いが起きています。

施設の利用者「本当の賃金は5万4000円ちょっとですが実際に支払われたのは1万円。難しい言葉言われて、はぐらかされている」

中川宙大記者「今、札幌市の職員が入っていきました。これから監査に入るとみられます」

7月、札幌市の企業、中和welfareが運営する障がい者向けの就労支援施設2か所に、札幌市の監査が入りました。対象となったのは「ミンナノオシゴト菊水」と「ミンナノオシゴト桑園」。この施設で働く障害がある人たちへの給与の未払いが起きています。

施設の利用者「先月の給料も7万7000円ぐらいが、そのときの給料は2万7000円」

この就労支援施設を運営する会社と、同じ系列の会社「中和興産」も同じく市民を巻き込むトラブルを起こしています。中和興産は、運営する4つの保育園で、市からの給付金などを不正に受け取ったとして、札幌市からあわせておよそ1億円の返還を求められています。

施設の利用者「ひとりで何万もするコンセプトカフェの衣装を100枚作れとか、エプロン100枚作れとか(実質的経営者の男性は)平気で言っていました」

こちらは就労支援施設で利用者たちが作っていた衣装。運営会社の関係者は、普段から実質的経営者の男性の「ずさん」な振る舞いに疑問を感じていたと話します。

運営会社の関係者「自分の知り合いに衣装を作るって仕事を、勝手に受けてくるんですよね。具体的にどうすればいいのかっていう打ち合わせもできなければ、いくらでやるのか、その契約がどうなっているのかもわからないし。ちゃんとお金が払われているのかもわからない」

ー給与の未払いー

中和welfareが運営する「ミンナノオシゴト菊水」と「ミンナノオシゴト桑園」では合わせて、およそ20人の障害がある人が働いていました。

施設の利用者「(今月振り込まれたのは)1万円本当は9万円ぐらいですよ?」Q会社の方から1万円の基準の説明はありましたか?「全く、今までないですね」

運営会社の関係者「残業代をカットするとかは平気でやりますし。(実質的経営者の男性が)労基に行った人間に対して取り下げるか懲戒になるか選べというような怒鳴りつけたりとかするんですよ」

ー不正受給ー

札幌市内の5カ所で保育園事業を行っていた中和興産。ことし3月以降、職員が一斉退職したことで突然、休園となる事態が生じたことに加え、職員の人数を水増しして給付金を申請していたことも明るみになりました。

運営会社の関係者「認可外保育園の人を認可保育園の方に人数を入れて、申請をしていました。指示として、この人をこっちに入れてくれとか、そこで働いていない職員の名前をいれてくれという指示を私も聞いていた」

退園した保育士「保育士がまず足りない。正社員が3人しかいない状態で園児を見ていて、配置人数を毎日満たしていない状況でした。人がいたらありがたいんですけど、やっぱり無資格なので任せられることは少ないですし、それでなにか子供がけがをしましたってなったときの責任は、その方はとれないので、結局その人には保育士がつかないといけない」

札幌市は先月までに4つの保育園の認可を取り消し、認可外保育園については施設閉鎖命令の処分を出しました。また、中和興産に対し、保育園の運営を始めた2019年の4月から4年間で不正に得た給付金など、およそ1億円の返還を求めています。

これらの問題についてHTBは実質的経営者の男性に取材を申し込みました。

カメラの前で答えてもらうことはできなかったものの、男性は取材に応じました。そこで、合わせておよそ1億円の不正受給について、男性は驚きの理由を口にしました。

(実質的経営者の男性の説明)会社を乗っ取られていた期間に不正が行われた。乗っ取っていた人たちに対して、訴訟を起こす準備をしている。

男性によると去年の10月頃から、同じ系列の会社にいた3人の人物が経営に関わるようになり男性自身は更迭されました。その後、会社の社長の意向により男性は今年1月に再び会社に戻ることになったといいます。保育園の不正受給は自分が会社にいなかった間に起きたことだと男性は主張しています。

しかし、札幌市に取材すると別の答えが。

(札幌市の担当者の説明)給付金が不正に受給されていたのは2019年に保育園事業を始めてから続いている。途中、経営者が変わったという認識はない。

男性が一時更迭されていたのは事実と証言する会社の関係者もいます。ただ、男性が更迭されたのは、男性自身の「パワハラ」が原因だったと話します。

施設の利用者「(職員に)暴言とか無理強いみたいなことをするので、抗議の意味合いで署名活動をして、署名活動に利用者は全員サインしました」

運営会社の関係者「最初にいた人間も結構早い段階で離脱していって、それから無理やり人を連れてきては辞めて、連れてきては辞めてっていうの繰り返して」

Qやめる理由は?

「やっぱり一番はパワハラ。もう無茶苦茶な仕事の振り方というか、とにかく無茶苦茶な要求が多すぎて、できないという答えを認めないんですよね。拒否したら嫌がらせを始める。給料を下げたりとかも平気でやるので」

次々と浮上する問題に自身の関与を否定する男性。給与の未払いについては、保育園事業で資金繰りが悪化したためと釈明しています。就労支援事業所で働いていた障がいがある人たちへの未払いの給与はどうなるのか、そして市の給付金1億円は返還されるのでしょうか。誠意ある対応が求められています。

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