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知床沖観光船事故で桂田社長逮捕 乗客家族「どれだけ責任の重いことを犯したのか…潔く認めてもらいたい」

HTB北海道ニュース / 2024年9月18日 20時20分

(c)HTB

乗客乗員26人が死亡・行方不明となった未曽有の事故。18日、運航会社社長の「逮捕」という急展開を迎えました。

一管本部・藤田望警備救難部長)

「慎重かつ厳正に捜査を行ってきたが、本日午前9時37分カズワンの運航会社・取締役である被疑者桂田精一を業務上過失往来危険・業務上過失致死の容疑で通常逮捕しました」。

おととし4月23日、知床沖で発生した小型観光船「KAZUI」の沈没事故。乗客乗員20人の死亡が確認された一方で6人の乗客の行方がいまもわかっていません。

海上保安庁は18日午前9時37分、桂田容疑者を業務上過失致死・業務上過失往来危険という2つの容疑で逮捕しました。運航管理者などとして船および乗員乗客の安全を確保すべき義務を怠った結果、船を沈没させるなどした疑いです。

あの日、なぜ出航したのか。事故4日後の会見で桂田容疑者はこう説明していました。

桂田精一容疑者)

「ウトロでは風と波も強くなかったので、海が荒れるようであれば引き返す条件付き運航であることを豊田船長と打ち合わせ、当時の出航を決定しました」。

しかし当時、斜里町には強風・波浪注意報が発表されていました。こうした中での出航を誰が判断したのかについてはー

桂田精一容疑者)

「社長にとっては行けるかいけないかの判断は豊田船長に任せていた?基本的に船の、どの会社も最終的には船長判断です」。

国の運輸安全委員会は桂田容疑者について船に関する知識がないにも関わらず「KAZUI」の運航管理者と安全統括管理者に就いていたと指摘しています。

桂田精一容疑者)

「(Q先ほどから船長に押し付けているんじゃないか?)責任を押し付けているということではなくて頼りすぎていたということ」。

沈没に至る過程について運輸安全委員会は船前方のハッチのふたがしっかりと閉まらず、海水が入り込んだことが原因と指摘しています。関係者によりますと海上保安庁は専門家を同席させ事故を再現した実験をするなどの捜査を積み重ねていたといいます。

一管本部・藤田望警備救難部長)

「本件はカズワン単独での航行中に発生しており、沈没機序を明らかにする過程が困難を極め難しい捜査となりました」。

事故からおよそ2年5カ月がたったタイミングで大きく動き出した捜査。逮捕に至った理由について一管本部は、「証拠隠滅の可能性が排除できないため」と説明しました。

これまで乗客家族に対し決して誠実とは言えない対応をとってきた桂田社長。逮捕について乗客家族の受け止めは。

いまも行方不明の乗客の家族)

「びっくりしました。ついに逮捕に至ったかと、実際こういうようなことを起こしてしまったことは事実ですから、責任をとっていただくような捜査をどんどん進めていただきたいです」。

死亡した乗客の家族)

「仏壇に報告できて、息子もちょっとほっとしてるんじゃないかなと思います。どれだけ責任の重いことを犯したのかというのを潔く認めてもらいたいと思いますし、こちらの希望としてはできるだけ重罪になることを望んでいます」。

急転直下の逮捕。海難事故にくわしい弁護士は背景をこう分析します。

海難事故に詳しい荒木樹弁護士)

「最終処分としておそらく公判請求、裁判になる可能性が高く、その場合さらに被疑者に対して実刑も含めて厳しい刑罰が予想される、それが大きな理由。2年半の時間を要したのはおそらく鑑定に時間がかかったのではないかと考えている。本件は肝心の船長から事情聴取ができませんので、事故原因の解明が非常に難しく、鑑定の実施に時間を要したのではないかと十分考えられます」。

一管本部は「捜査に支障がある」として桂田容疑者の認否を明らかにしていません。

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