「どうやって生活していくか…」資源量激減 2年連続休漁が決定 むかわのシシャモにいったいなにが?
HTB北海道ニュース / 2024年9月20日 18時20分
北海道むかわ町の特産品シシャモ。資源量が回復しないことから2年連続での休漁が決まりました。むかわのシシャモに何が起きているのでしょうか。
鈴木麻友記者:「むかわ町に入ります。カントリーサインには、シシャモがかかれていますね」
シシャモの町、むかわ町。「鵡川ししゃも」の濃厚な味わいは全国に知られ、例年なら漁期の10月ごろは多くの観光客でにぎわいます。しかし・・・。
むかわ町 竹中喜之町長:「令和6年度におきましても、引き続き資源回復に向けた最大限の対応が必要との認識から、やむを得ず休漁する結論に至った」。
近年、深刻となっているシシャモの不漁。資源維持の目安とされる遡上数は60万匹ですが、去年の推定遡上数は、わずか13万5000匹と遠く及びません。資源の回復を優先させるため、昨シーズンに続いて今シーズンも休漁することになりました。
地元漁師:「しょうがないんじゃない。今焦って獲って資源をなくすよりは妥当な考えだと思う。寂しいものは寂しい、。獲れないのは。どうやって生活していくか考えないといけないし」。
町は、ふ化場を建設し今年はおよそ580万匹の稚魚を放流するなど資源回復に向けた取り組みを進めています。しかし、道総研は海水温の上昇が不漁の要因のひとつだとしていて、今後の見通しは不透明です。
それでも、町内にはシシャモを焼く香ばしい香りが漂っています。
鈴木麻友記者:「いただきます。頭の部分はこんがりと香ばしく焼けていて、とってもおいしいです。身はふっくらしていますね」。
この町で100年以上、シシャモの加工や販売を行うカネダイ大野商店。釧路や広尾町などで獲れたシシャモをむかわ伝統の味付けで観光客に提供しています。
石川県からの観光客:「脂が乗っていて柔らかくておいしいです」「むかわ町はシシャモが有名な所なので近くで獲れると思って来ているのでちょっと残念」。
カネダイ大野商店 大野秀貴社長:「(休漁した去年は)むかわ町に来るお客様が激減した。(休漁は)将来に向けてシシャモを残していくための大切な取り組みだと思うので、たくさん増えて帰ってくることを願って頑張って商売を続けます」。
90年代にもシシャモが獲れなくなりましたが、4年間の休漁で漁獲量が回復したむかわ町。シシャモの加工と提供を続けながら、水揚げの復活を待ちます。
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