「メンズ・シェッド」男たちの小屋 孤立を防ぐ高齢の男性の集まる場所
HTB北海道ニュース / 2024年10月4日 11時5分
「メンズ・シェッド」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
シェッドは英語で「小屋や物置」メンズシェッドは直訳すると「男たちの小屋」という意味です。
社会問題となっている高齢の男性の孤立を防ごうと男性たちが集まる場所がいま注目を集めています。
メンズ・シェッドの参加者「集まれる場所があるだけでも非常に有意義なんじゃないかと思いますけどね」
畑作業に、料理まで生き生きと共同で作業をする高齢の男性たち
二本柳健司さん「話し相手いないんだよ、テレビと会話するわけにもいかないし」
男性の第2の居場所となる「メンズ・シェッド」孤立に立ち向かう男性たちの実情を取材しました。
札幌市西区の山あいにある畑。
5人の高齢の男性が黙々と行うのはソバの収穫作業です。
「これでどんだけ実とれるんだかね」
一緒に作業するみなさん。
元の職業はというと・・・
「精密機器のメーカーに勤めてました」
「郵便局です」
「もともと道新」
過去の経歴はばらばら「札幌メンズ・シェッド」に参加したメンバーで4月に初めて顔を合わせたばかりです。
参加者の男性「利害関係のない人たちの中でお話ができるのは特にリタイヤしたあとは非常に価値のあることなんじゃないですか」
「メンズ・シェッド」日本語に直訳すると「男たちの小屋」を意味します。
退職後の高齢の男性が集まって好きなことに没頭できる「心地のいい居場所」のことです。
1990年代にオーストラリアで誕生し、「高齢の男性の生きがいにつながる」と世界各地に広がりました。
日本では去年、熊本県で初めて設立され今年4月に札幌でも始まりました。
この日、男性たちの集まりに参加していたのは、札幌でのメンズ・シェッド立ち上げにかかわった北大大学院・保健科学研究院の高島理沙講師です。
北大大学院 保健科学研究所 高島理沙講師「企業戦士、猛烈社員と呼ばれたり、仕事中心の生活、仕事中心の人付き合いの中でうん十年一生懸命生活をされて、退職」
「その瞬間に職場、職域でのつながりが切れてしまって、急に住んでいる場所中心に地域で生活するときに人のつながりをどうしよう、というときに孤立という問題」
国立社会保障・人口問題研究所の調査では65歳以上の高齢者の1人暮らしの割合は2020年から2050年にかけて、女性は23.6%から29.3%と緩やかに上昇するのに対し、男性は16.4%から26.1%に急増します。
男性は女性に比べて孤立しがちという問題を解決するためにも、高齢の男性が仲間を作ることができる居場所としてメンズ・シェッドを立ち上げたのです。
呼びかけに応じた40代から80代までの男性41人が参加。
メンバーが今後、取り組みたいテーマについて話し合った結果、「釣り」「登山・ウオーキング」「料理」「音楽」「頭の体操」「ゴルフ」「菜園」「DIY」の8つのグループができました。
複数のグループに所属する人もいます。
「菜園」グループのリーダー・二本柳健司さん。74歳。
現役時代は福祉関係の仕事をしていました。
二本柳健司さん「Qできはどんな感じ?」
「悲しいしょ、1個あるかどうかでないもん」
初めて挑戦するソバ作りに四苦八苦それでも収穫する二本柳さんの顔には笑顔がありました。
二本柳健司さん「なにがいいとか、いいものができたとかじゃなくて、そこにいく過程、暇をみんないっぱい使ってるわけでしょ、その面白みあると思う、結果だけ求めたいならお店行けば、時間はあるから、みんなで楽しみながらやる、そうゆう集まりどうですか」
西区内にある一軒家でひとり暮らしをしている二本柳さん
二本柳健司さん「いろんなときに1人はさみしいって感じるよ、いっぱい感じる」
3人の子どもと妻との5人家族でしたが、子どもの大学卒業をきっかけに妻と離婚
「そうめんだから簡単だよね」
およそ20年間、1人で暮らしています。
二本柳さん「1人で食べるのってさびしいでしょ、仲間で食べると会話があるじゃん楽しみっていうか、その差って大きいと思うよ、生きるために食べるからえさだって」
仲間と一緒に和気あいあいとした生活を送りたいとメンズ・シェッドへの参加を決めました。
二本柳健司さん「Qメンズシェッドに行くようになって気持ちの変化は?それは絶対ある、一つは行かなくちゃやらなくちゃ追い詰められているわけじゃないけど、自分をそうゆう立場に置いて行動すると、やった結果がどうあれ、充実してる満足してる」
二本柳さんがこの日参加していたのはウォーキンググループ
あいにくの雨の中、滝野すずらん丘陵公園からおよそ16キロ離れた地下鉄真駒内駅を目指します。
途中、滝野霊園の頭大仏では記念撮影芸術の森ではお昼休憩もメンバーみんなで昼食をとりながら一休みです
二本柳健司さん「最高よ、このおにぎりが一番おいしい」「(家で)食っちゃね食っちゃねと、こうゆうところ出てきて歩いておしゃべりするのはすごい差じゃん。反動でどっと疲れが出るんだけど、いいしょ、これ毎日続けたらみんな元気になるんじゃない?もたんか、1日おきだね」
笑顔で語る二本柳さん一人暮らしの孤独をみんなとの活動で忘れます。
心地のいい高齢の男性の居場所を目指す「メンズ・シェッド」
孤立を防ぐ対策になるのかその取り組みは始まったばかりです。
札幌メンズ・シェッドの立ち上げに関わった北大大学院の高島理沙講師によりますと、「高齢者の孤立は、いまは男性特有の問題だが、女性も働く時代になっているので20年~30年後には退職後の女性も直面する問題になる」と話していました。
札幌メンズ・シェッドの活動に興味がある方は「札幌メンズ・シェッド ポッケコタン」で検索して、ホームページからお問い合わせをしてみてください。
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