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「船を直接操縦していない人物の刑事責任問われるのは異例」運航会社桂田精一社長を起訴 知床沖観光船事故

HTB北海道ニュース / 2024年10月9日 16時5分

(c)HTB

おととし4月、乗客・乗員26人が死亡・行方不明となった知床沖の観光船沈没事故で、釧路地検は運航会社の桂田精一社長を業務上過失致死の罪で起訴しました。

急転直下の逮捕から3週間。

おととし4月、知床沖で観光船が沈没し26人が死亡・行方不明となった事故で釧路地検は9日、運航会社の桂田精一社長(61)を業務上過失致死の罪で起訴しました。

運航管理者でもある桂田被告が悪天候が予想される中、船長に運航の中止を指示しなかったことにより船が沈没し乗客を死亡させたとしています。

元検事の川村明伸弁護士は今回の起訴について、船を直接、操縦していない人物の刑事責任が問われるのは異例だと話します。

川村明伸弁護士)

「やはりその事故の重大性を考えた時に、本当にもう亡くなっている船長だけでいいのかっていう問題意識は捜査側もずっと持っていたんだと思いますので、重大事件ですので起訴だったということだと思います」。

事故で行方不明となっている小柳宝大さんの父親。桂田社長の逮捕後、検察から呼ばれ聴取に応じました。

赴任先のカンボジアから一時帰国した旅行中に事故に遭った小柳さん。父親は趣味のギターや釣り竿など思い出の品を持参しました。検察からの聴取は2時間余りに及びました。

小柳宝大さんの父親)

「宝大の幼い時からのことを話しまして、今度知床に向かうきっかけになったこととか、克明にたずねられました」、「事故がなぜ起きたかということを、桂田自身に自覚してもらわないといけないと思いますし、今後の再発防止のためにも、しっかりと罰を与えてもらいたい」。

息子とその母親が行方不明となった十勝管内に住む男性も先月、検察の聴取を受けました。

十勝管内に住む男性)

「なんかつらくなりますね、見てるとたくさん傷ついて岩とかでこすれたのかなとか思います」。

息子の思い出の品々を見せながら、検察官に家族への思いや桂田被告に対する怒りを伝えたといいます。

十勝管内に住む男性)

「桂田に対してどう思っているのかというのも自分は怒りしかなくて、そういう憤りを感じるという言葉では言い表せないくらい本当に許せないという気持ちがありますそういう思いを伝えました」、「(検察には)それにこたえるように最大限の努力をするといってもらった」。

なぜ、検察は家族から聴取するのか。専門家は裁判で提出する「遺族調書」を準備するためだと話します。

川村明伸弁護士)

「基本的にはやはりそのご遺族の処罰感情が厳しいものがある時には、それも量刑上多少考慮はされますので、そういうものを法廷で裁判官に届けることによって、刑には一定程度の影響は与えるんだと思います」。

起訴を受け、桂田被告がコメントを発表しました。

桂田被告のコメント)

「多くの乗客の方、船員に犠牲を生じさせてしまったこと、また依然として行方不明の方々もおられることについては法人代表者としてこれからも謝罪と償いを続けていく所存です」。

今後始まる刑事裁判を前に事故の被害者弁護団は「二度とこのような事件が起きることのないように、社会全体で再発防止策を考えていく契機になることを願っている」とコメントしています。

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